映像資料の感想(環境社会学Ⅱ)

2008年2月4日 2008年2月6日改訂

●バイオ燃料(2008年2月1日)

『バイオ燃料 畑でつくるエネルギー』アジア太平洋資料センター、天笠啓祐監修、DVD、2007年、31

キーワード:自動車燃料と食糧の競合、8億人の自動車所有者と20億人の貧困層、バイオエタノール、バイオディーゼル、エネルギー収支、パーム椰子プランテーション

 

配布資料 『バイオ燃料 畑でつくるエネルギー』天笠啓祐122頁(インドネシアの泥炭地域の開発で炭酸ガス排出増大)、朝日新聞2008年1月22日(義理チョコに込める愛 イラクの子(白血病など)支援 医療基金 環境科学部1期生福田美智子)、朝日新聞2008年1月27日(原告ジュゴン「私を助けて」サンフランシスコ連邦地裁で1月24日に日米の平和団体がペンタゴンに勝訴の画期的判決、自然の権利訴訟)

 

参考文献

『サトウキビ・木材からのバイオ燃料,大量供給への道 : 日本における自動車用バイオエタノール確保の方向性』GIAダイアログ推進委員会編(自動車技術会、2007年)

『人類存亡の鍵を握る環境技術』日本技術士会地球環境研究特別委員会(日本技術士会、2007年)「バイオ燃料は化石燃料の代替となるか」 井原博之などを収録

『低公害・代替燃料自動車の普及・促進のための調査研究報告書 : 海外における低公害・代替燃料自動車の技術、普及状況調査資料集 : バイオ燃料を使うクリーンな自動車』運輸低公害車普及機構(運輸低公害車普及機構・物流技術センター1999年)

『日本における自動車バイオ燃料の普及に向けて』次世代燃料・潤滑油委員会編(自動車技術会、2006年)Toward widespread use of automotive bio-fuels in the Japanese market

以上4点は国会図書館所蔵

『バイオ燃料 畑でつくるエネルギー』天笠啓祐(コモンズ、2007年)この本は上記ビデオと連携して出版された。

『月刊オルタ』2007年2月号 特集「バイオ燃料は理想のエネルギーか?」アジア太平洋資料センター 

 

インターネット資料

ウィキペディア「バイオ燃料」

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E7%87%83%E6%96%99 関連項目 バイオディーゼル、バイオマスエタノール、バイオマス、カーボンニュートラル

バイオ燃料com http://xn--eckm6i136u3ym.com/

菜の花プロジェクトネットワーク http://www.nanohana.gr.jp/index.php

 

●「バイオ燃料の普及で森林が絶滅?」(WIRED NEWS)を引用(写真は省略)

http://wiredvision.jp/news/200708/2007082023.html

2007820

Brandon Keim 20070820

 

放牧地を作るために、アマゾンの森林を焼いて伐採している様子(NASAの『LBA-ECO』プロジェクトより)

燃料用作物を育てるために森林を伐採する場合、環境への悪影響は大きく、バイオ燃料の利用によっても埋め合わせができないことが最近の調査でわかった。

ヒッピーの夢だったエネルギー用作物が環境対策の主流となった今、この調査結果は人々の熱を冷まさせるメッセージだ。

今や世界中の政府や産業界が、環境を汚染する化石燃料の代わりに植物から生成した燃料を使うことを表明している。しかしそれは、木々を育み二酸化炭素を貯蔵する森が見られなくなる事態を招いてしまうのだろうか。

科学雑誌『Science』誌の記事の中で、イギリスの環境保護団体『World Land Trust』のRenton Righelato氏と、リーズ大学の環境研究者Dominick Spracklen氏が、二酸化炭素の排出抑制効果について、バイオ燃料用作物を利用する場合と、森林による場合とで比較している。

その結果、環境にとって最悪なのは、バイオ燃料用作物の農地を確保するために森林を伐採することであることがわかった。

言うまでもなく、森林の吸収する二酸化炭素の量は、その森林があった場所で育てられたバイオ燃料用作物によって削減される量よりも多い。

「人々は地球を救っている気分でいるが、そうではない。われわれが関心を持つべき本当の問題は、燃料の消費を減らし、燃料の効率を高めることだ」とRighelato氏は言う。

「バイオ燃料は本当のところ、化石燃料の利用を減らすという真の問題をごまかす手段として使われている」

欧州や北米でのバイオ燃料の需要が、発展途上国での森林破壊を拡大している。

欧州連合(EU)は、2020年までに輸送用燃料の20%をバイオ燃料に置き換えると宣言している。また米国は、同じ時期に15%をバイオ燃料に置き換える計画を立てている。

国際エネルギー機関(IEA)の試算によれば、現在の技術でこれらの目標を達成するには、米国とEUの食用作物の半分を燃料用作物に回す必要がある。しかし、それは現実性がないため、代わりに発展途上国から需要をまかなうことになる。悲惨な結果を招く可能性を抱えながら。

たとえばインドネシアでは、外国からのバイオ燃料の需要によって、同国に残る貴重な二酸化炭素貯蔵庫である泥炭地の熱帯雨林が、エネルギー企業によってますます破壊されることになる、と環境保護主義者は予測している。

その結果、森林が燃やされ、500億トンの二酸化炭素が大気中に放出される可能性がある。これは、米国におけるほぼ10年分の温室効果ガス排出量に匹敵する。

一方、ブラジルは、約5億エーカー(20億平方キロメートル)におよぶ森林、草原、および湿地を、農業への転換に適した「荒廃」地域に指定した。アラスカ全土に匹敵する面積におよぶ森林の全てが伐採されることはないにしても、その大部分で大豆を栽培することが可能になる。大豆は、バイオ燃料に取り組むブラジルの定番商品だ。

 

画像をクリックすると拡大画像が見えます。ブラジルのマトグロッソ州にあるアマゾン熱帯雨林の、2001年と2006年の開発状況。NASA、グローバル宇宙飛行センター(GSFC)、日本の経済産業省、資源・環境観測解析センター(ERSDAC)、資源探査用観測システム・宇宙環境利用研究開発機構(JAROS)、および日米共同事業のASTERサイエンスプロジェクトが提供したデータに基づいてRobert Simmon氏が作成(写真は割愛)

 

米航空宇宙局(NASA)は、大豆の価格と森林の様子を示す衛星画像を比較することによって、アマゾンの熱帯雨林のうち、ロードアイランド州とほぼ同じ広さの地域[4000キロ平方メートル。石川県より少し狭いぐらいの面積]が、バイオ燃料の需要のために毎年伐採されていることを明らかにした。(写真は割愛)

 

「私が話をした政府関係者は概して、森林破壊によって二酸化炭素の貯蔵場所が大きく失われる可能性を認識していないように思える」と、『World Land Trust』のRighelato氏は指摘する。

オークリッジ国立研究所のバイオ燃料専門家Mac Post氏も、この意見に同意する。

「二酸化炭素をたくさん貯蔵するエコシステムを、二酸化炭素排出の埋め合わせのために破壊するなら、墓穴を掘ることになる。私が言えるのは、これはとても深い穴で、抜け出すことはできないということだ」とPost氏は述べた。

米国では、利用可能な森林はもう使いつくされている。そのため、燃料か森林かという問題は、作物の栽培に使われていない牧草地の利用法に焦点が置かれることになる。

エネルギー省発行の『Billion Ton Vision(PDFファイル)は、2030年までに米国の輸送力の30%をバイオ燃料でまかなう構想を描いた資料だが、これによると、米国では作物栽培に適した土地のうち、6750万エーカー(27300万キロ平方メートル)が利用されていないという。

米国の輸送力の30%をバイオ燃料でまかなうという目標を達成するには、ケンタッキー州とほぼ同じ2500万エーカー(1100万キロ平方メートル)の地域を、バイオ燃料用作物だけに利用することになる。

今のところ、これらの牧草地を森林に変えようという議論は行なわれていない。

「エネルギー用作物が牧草地域に入りこんでくる可能性のほうが高いだろう」と、『Billion Ton Vision』の主執筆者であるRobert Perlack氏は言う。

Perlack氏によると、理想的には、トウモロコシ畑(現在、バイオ燃料用作物として最も一般的であるが、最もエネルギー効率が低い)と、牧草地の両方が、ヤナギやポプラなど成長の速い樹木を含む多年生植物の生態系に変わることが望ましいという。根がしっかりとはるので、収穫・伐採されたあとも、ある程度の二酸化炭素を地中に留めておく働きをするからだ。

温帯気候では、木は、新たに植林した分だけ二酸化炭素を貯め込むことができると、Righelato氏とSpracklen氏は、前出の『Science』誌の記事の中で記している。

Righelato氏は、バイオ燃料に注目することは、真の問題から人々の目をそらさせることでしかないと述べる。真の問題とはつまり、われわれがどれだけの燃料を使用し、どれほど不用意に消費しているかということだ。

米国では、環境に優しいという主張を標榜する民主党が議会で多数派を握ったが、それでも状況は変わっていない。

8月初めに包括的なエネルギー法案が提案されたとき、下院は、自動車の燃費をガソリン1リットルあたり約15キロメートルにするという規制を盛り込むことをやめた。

現在の平均燃費は1リットルあたり約9.4キロメートル。これは、初代T型フォードの燃費より低く、中国で2008年から義務付けられる燃費の半分にすぎない。

[日本語版:ガリレオ- 佐藤卓/小林理子]WIRED NEWS 原文(English)

以上引用

 

●森永卓郎氏のエッセイの引用

「構造改革をどう生きるか 成果主義・拝金思想を疑え!」

84回 食べ物を燃やす 何かおかしい今のバイオ燃料

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/84/

 

経済アナリスト 森永 卓郎氏 200764

 4月からオレンジジュースの希望小売価格が上がった。5月には日清製粉が業務用小麦価格を一部引き上げている。さらに6月には、キユーピーがマヨネーズの価格を1割値上げする。マヨネーズの値上げは1990年以来、17年ぶりのことだ。

 デフレが深化している状況で、なぜ食料品だけ値上げが相次いでいるのか。その原因は一つしかない。バイオ燃料の普及で、その原料になるトウモロコシの需要が急増したからだ。

 需要増でトウモロコシの価格が上がると、オレンジや大豆、小麦の生産農家がトウモロコシに転作し、オレンジ、大豆、小麦の供給が減って、価格が高騰するというメカニズムになっている。

 マヨネーズも原料となる植物油が大豆の価格高騰で値上がりし、その余波を受けた。

 食料品の価格が軒並み上がろうと、いまやバイオエタノールによるバイオガソリンで車を走らせようというのが世界の流れだ。

 

ガソリンより環境負荷は大?

 

 日本でもガソリンにバイオエタノールを3%混合したバイオガソリンが先ごろ、販売開始された。通常のガソリンと同じ価格で販売されているが、実は政府が補助金を出して同じ価格にしているのだ。

 バイオエタノールの生産コストはガソリンよりもっとかかる。

 それでもバイオガソリンを売ろうというのは、環境に負荷をかけないとされているからだ。トウモロコシやさとうきびが育つ段階で二酸化炭素を吸収しているため、自動車燃料として燃やして二酸化炭素を排出しても差し引きゼロ、という理屈だ。京都議定書でも確かにバイオガソリンは二酸化炭素の排出量をゼロとしてカウントしている。

 それが本当なら、わたしは税金を入れてでも普及させるべきだと思うが、その一方でこんな疑惑もあるのだ。

 少なからぬ学者が、バイオエタノールを使ったガソリンは二酸化炭素の排出量をむしろ増やすと主張している。

 経済産業省は二酸化炭素は減るというがその前提は現地生産である。つまり、現地のトウモロコシやサトウキビを使って現地でバイオエタノールを作る場合だ。

 ところが、日本はフランスからバイオエタノールを輸入している。輸送のためには当然ながらエネルギーを使う。それを二酸化炭素で計算するとどうなるか。

 まだ学問的な決着はついていないが、バイオエタノールを燃やす方が通常のガソリンを使うよりも数倍の二酸化炭素を放出する可能性があるという説もある。

 

値上がり食品は米国の主力輸出農産物

 

 今後、技術開発を進めて、バイオエタノールがより効率的に生産できるようになれば、二酸化炭素の排出量を減らす可能性はあると思う。

 特に日本の石油メーカーが研究を進めている建築廃材などからバイオエタノールを作る技術が確立すれば、これは明らかに二酸化炭素排出量を減らすことになる。

 なぜなら、廃材はどうせ燃やして処理するしかないし、“国産原料”だからだ。  完成はもうすぐらしいのだが、こうした技術が確立してから走行実験でもやって、補助金を出しても遅くないではないか。

 それなのに、なぜあわてて導入したのか。これが疑問1である。

 疑問2は日本のバイオエタノール混合率が3%なのに、米国が10%であることだ。米国は京都議定書にも賛成しないほど世界で最も環境対策に不熱心な国として有名だ。その国がなぜ日本の3倍ものバイオエタノールをガソリンに混ぜているのか。その理由は一つしかないだろう。

 冷静に見てみると、値上がりしたトウモロコシ、小麦、オレンジ、大豆はすべての米国の主力輸出農産物である。しかも、大豆や小麦については遺伝子組み換え作物がかなりの割合で使われている。

 遺伝子組み換え作物は世界において食の安全という点で懸念が高まっており、日本も輸入していない。そこで、世界的に不人気な遺伝子組み換え作物を燃料の材料にして、需給をひっ迫させて価格を上げるために米国が日本に対してもバイオエタノールをすぐに売れと圧力をかけたとしか思えないのだ。

 

食べ物を燃やすな

 

 証拠はないが、環境対策にこれほど無関心だった米国が急にバイオ燃料の普及にだけ本腰を入れる理由がそれ以外に思いつかない。

 主要輸出農作物の価格が上がったうえに、遺伝子組み換え作物の在庫一掃セールまでできるのだ。これほど米国にとって都合のいいことはない。

 日本政府がいまやるべきことは廃材やおがくずなどを材料としてバイオエタノールを生産する技術を1日でも早く完成させ、食べ物を燃料として燃やすなどというふざけた政策をやめさせることだ。

 この政策は、わたしたちの家計に打撃を与えるだけではない。発展途上国ではこうした穀物類が生きる糧なのだ。それを燃やして値上がりさせ、自分たちだけがもうけようという考え方は断固拒否すべきではないか。

以上引用

 

●上岡直見氏のエッセイの引用

「本当に理想的か バイオ燃料導入」 2007/01/26

http://www.news.janjan.jp/living/0701/0701248780/1.php

 

 最近、トウモロコシや大豆など穀物の国際価格が高騰している。まさか日本の納豆騒動の影響ではなかろう。報道(※1)によると、バイオ燃料の需要拡大によるものであるという。すでに筆者は、人間の食料として使われるべき農作物が、自動車用燃料の製造に向けられる危険性について、過去の記事(※2)で指摘した。最近、日本でもバイオ燃料に対する期待が高まり、政府もバイオ燃料普及に新法の制定を検討しているという(※3)

 ここで、トウモロコシからエタノール(エチルアルコール)を製造するプロセスを例に、食料との比較をしてみよう。トウモロコシは、1ヘクタールあたり約10トン収穫される。これから皮や芯など穀物として無効な部分を除くと、およそ重量が半分になる。一方、トウモロコシからエタノールを製造する収率は、製造プロセスによっても違いがあるが、文献(※4)(※5)を参照すると、1トン(皮や芯を除いた正味)あたりおよそ400リットル前後が現時点の平均と思われる。

 一方、人間が健康を維持するのに必要なカロリーは、1日に約1800キロカロリーとされている。トウモロコシを多食する国と、そうでない国があるが、地球的なカロリーバランスで比較したときにどうなるだろうか。

 各種の文献の数字を総合すると、1ヘクタールの畑から収穫されるトウモロコシは、カロリー換算で1年に約30人を養える。これに対して、同じ量のトウモロコシを自動車燃料に転換すると、1年に約2台の自動車を動かす燃料(ただし日本での平均的な乗用車)に相当するエネルギーが得られるにすぎない。農地の使い方としていずれが合理的か、もはや説明するまでもなかろう。

 一方、環境的な評価はどうだろうか。バイオ起源の燃料は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を出さない(植物による吸収と相殺される)と評価されているが、トウモロコシからエタノールを製造するには、農作業に必要な燃料や肥料、製造工程の燃料や電力などを通じて石油の使用が不可避である。バイオ燃料として1kgの二酸化炭素を削減する効果に対して、原料の栽培・収穫とエタノールの製造過程で、それよりも多い1.3kgの二酸化炭素を発生してしまうという効率の低い製造プロセスさえある(※6)

 このように、トウモロコシからのエタノール製造は、環境対策として意味がないだけでなく、自動車が所有できる経済的富裕国()の人々が自動車を使い続けるために、最低限の栄養も充足できない経済的貧困国()の人々の生命をいっそう危険に追いやる反道徳的なテクノロジーである。かりに日本の利害だけを考えても、石油をバイオ燃料に代替したところで輸入に依存するしかなく、安易な導入はますます地政学的リスクに巻き込まれるだけである。根本的な解決は、自動車に依存した交通体系を転換するしかない。

(※1) 「読売新聞」2007年1月22日

(※2) 始まった「畑の取り合い」~危ないバイオ燃料・地球を食べ尽くす「自動車」

(※3) 『日本経済新聞』同年1月24日

(※4) Lorenz, D. and D. Morris: "How Much Energy Does It Take to Make a Gallon of Ethanol?"、1995年

(※5) Renewable Fuel Association Ethanol Industry Outl

ook 2006、06年

(※6) トヨタ自動車・みずほ情報総研「輸送用燃料のWell-to-Wheel 評価日本における輸送用燃料製造(Well-to-Tank)を中心とした温室効果ガス排出量に関する研究報告書」04年

(上岡直見) 

以上引用。上岡氏は交通問題・クルマ社会のエネルギー・環境的側面の分析の第一人者。著書多数。戸田が面識あり非常に信頼をおく人物。

 

●米国コーネル大学の生態学教授ピメンテル博士(今回のビデオにも登場。農業のエネルギー収支分析の第一人者)のバイオ燃料批判の資料がありそうだと思って「Pimentel biofuel」をグーグル検索すると、14100件ヒットのトップに下記があった。

 

Cornell University News Service

Biomass for biofuel isun't worth it.

http://www.news.cornell.edu/stories/July05/ethanol.toocostly.ssl.html

 

July 5, 2005

Cornell ecologist's study finds that producing ethanol and biodiesel from corn and other crops is not worth the energy

By Susan S. Lang

 

Chris Hallman/University Photography

Ecologist David Pimentel, shown here pumping gas, says that his analysis shows that producing ethanol uses more energy than the resulting fuel generates. (写真省略)

 

ITHACA, N.Y. -- Turning plants such as corn, soybeans and sunflowers into fuel uses much more energy than the resulting ethanol or biodiesel generates, according to a new Cornell University and University of California-Berkeley study.

"There is just no energy benefit to using plant biomass for liquid fuel," says David Pimentel, professor of ecology and agriculture at Cornell. "These strategies are not sustainable."

Pimentel and Tad W. Patzek, professor of civil and environmental engineering at Berkeley, conducted a detailed analysis of the energy input-yield ratios of producing ethanol from corn, switch grass and wood biomass as well as for producing biodiesel from soybean and sunflower plants. Their report is published in Natural Resources Research (Vol. 14:1, 65-76).

In terms of energy output compared with energy input for ethanol production, the study found that:

corn requires 29 percent more fossil energy than the fuel produced;

switch grass requires 45 percent more fossil energy than the fuel produced; and

wood biomass requires 57 percent more fossil energy than the fuel produced.

In terms of energy output compared with the energy input for biodiesel production, the study found that:

soybean plants requires 27 percent more fossil energy than the fuel produced, and

sunflower plants requires 118 percent more fossil energy than the fuel produced.

In assessing inputs, the researchers considered such factors as the energy used in producing the crop (including production of pesticides and fertilizer, running farm machinery and irrigating, grinding and transporting the crop) and in fermenting/distilling the ethanol from the water mix. Although additional costs are incurred, such as federal and state subsidies that are passed on to consumers and the costs associated with environmental pollution or degradation, these figures were not included in the analysis.

"The United State desperately needs a liquid fuel replacement for oil in the near future," says Pimentel, "but producing ethanol or biodiesel from plant biomass is going down the wrong road, because you use more energy to produce these fuels than you get out from the combustion of these products."

Although Pimentel advocates the use of burning biomass to produce thermal energy (to heat homes, for example), he deplores the use of biomass for liquid fuel. "The government spends more than $3 billion a year to subsidize ethanol production when it does not provide a net energy balance or gain, is not a renewable energy source or an economical fuel. Further, its production and use contribute to air, water and soil pollution and global warming," Pimentel says. He points out that the vast majority of the subsidies do not go to farmers but to large ethanol-producing corporations.

"Ethanol production in the United States does not benefit the nation's energy security, its agriculture, economy or the environment," says Pimentel. "Ethanol production requires large fossil energy input, and therefore, it is contributing to oil and natural gas imports and U.S. deficits." He says the country should instead focus its efforts on producing electrical energy from photovoltaic cells, wind power and burning biomass and producing fuel from hydrogen conversion.

 

Susan S. Lang, Senior Science Writer

Phone: (607) 255-3613

E-Mail: SSL4@cornell.edu

Media Contact:

Office of Press Relations

Phone: (607) 255-6074

E-Mail: pressoffice@cornell.edu

Related information:

David Pimentel

 

 

●NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のバイオ燃料調査委託公募資料を引用。政府系機関の考えがわかる。

http://www.nedo.go.jp/informations/koubo/181018_1/181018_1.html

 

「マレーシア及びインドネシアにおけるアブラヤシ等由来バイオ燃料事業の発掘等に関する調査」に係る委託先の公募について (平成181018日)

 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO技術開発機構」という。)は、下記調査事業の実施者を一般に広く募集いたしますので、本調査について受託を希望する方は、下記に基づき応募下さい。

件名  マレーシア及びインドネシアにおけるアブラヤシ等由来バイオ燃料の発掘等に関する調査

 

調査内容

【背景・目的】

 近年注目されているバイオ燃料については、「京都議定書目標達成計画」(平成17428日閣議決定)において「円滑な導入を進める」とされているほか、「長期エネルギー需給見通し」における「新エネルギー導入目標」にも位置付けられているなど、我が国でも積極的な技術開発及び導入促進等が図られている。

 一方、海外、特に経済の発展に伴うエネルギー需要の急増が見込まれており、バイオマス資源も豊富なアジア地域との協力によるバイオ燃料の積極的な活用や国際的な連携についても、「バイオマスニッポン総合戦略」(平成183月閣議決定)、「科学技術基本計画 分野別推進戦略環境分野」(平成183月閣議決定)及び「新・国家エネルギー戦略」(平成185月経済産業省)等において、その必要性が述べられており、着実なバイオ燃料の普及及び我が国とアジアにおける協力関係の構築・強化等が求められている。

 特に、マレーシア及びインドネシアにおいて生産量が豊富なアブラヤシを原料とするバイオ燃料が有望視されており、官民での様々な取り組みが積極的に進められている。これらの国々におけるバイオ燃料の利用促進については、ガソリンスタンドにおける試験的な販売開始や政府首脳レベルでの協力関係の構築に関する合意が行われるなど、着実な進展が見られている。一方、様々なバイオ燃料製造技術の存在と油糧植物の多様化、原油価格動向の不透明化、加熱するバイオ燃料ブームに伴う燃料品質の確保等に関する懸念及び生物・環境資源の保護との両立等の課題もあることから、より複眼的な視点と官民が一体となった重層的な取り組みが求められており、それぞれの国々おける政策・規制に係る動向等の実情やニーズ等を踏まえつつも、綿密な情報収集と状況把握等に立脚した慎重かつ効果的な国際協力が重要になっている。

 この様な背景を踏まえ、NEDO技術開発機構は、アジア地域の豊富なバイオマス資源の有効活用及び我が国の優れたバイオ燃料技術に係る海外展開支援・普及促進によるアジア地域におけるエネルギー需給の緩和、ひいては我が国エネルギーセキュリティの確保等に資することを目的として、標記の調査を実施する。

【内容・目標】

 マレーシア及びインドネシアを調査対象国とした以下の各項目に係る調査(情報収集及び分析)を行うことにより、事業発掘に係る検討を行うことを目標とする。調査に際しては、現地調査(関係者へのヒアリング及びサイト候補地の探索等)を含むものとする。また複数の技術を想定した場合、調査対象の重点化等については、効率的な調査の推進、調査の進捗及び事業対象国のニーズ等に資するため、別途NEDO技術開発機構と協議しつつ決定することとする(調査対象国について、どちらかに重点化した調査を行うことにより、加速的な調査を行うこともあり得る)。

1 )事業対象国に係る動向

 [1] 経済・産業及びエネルギー・環境政策等に関する概況(代表的企業の経営動向・設備投資動向、エネルギー有効利用促進政策、環境保全促進政策及び産業振興優遇政策並びにエネルギー動向及び課題等)

[2] 石油産業における状況(精製、流通、販売等)、動向及び課題等

[3] アブラヤシ関連産業の状況(用途別需給動向、農園に係る企業や農家等の動向及び課題等)

[4] 自動車産業に関する状況(ガソリン車及びディーゼル車に係る製造・販売、排ガス・環境保全・燃料品質に係る政策・規制及びエンジン等に係る技術動向並びこれらに関する課題等)

[5] バイオマスエネルギー及びバイオ燃料に係る政策・規制動向、導入状況及び課題等

[6] その他上記政策に係る主要な目標、実施計画、規制措置、税制措置(関税・譲渡税・固定資産税・付加価値税等の免税措置等)、経済的措置(金融、補助等)等

 

2 )バイオ燃料の製造・利用技術に関する動向と普及可能性 ※動粘度(4.5mm2/s以下を目安とする)、酸素分(0.1mass%以下を目安とする)、沸点、流動点等の品質・性状及びそれらの安定性(特に酸化安定性)、大規模な製造量の確保、製造拠点及び流通面での合理性並びにコスト面で、既存の軽油と遜色のない優れたバイオ燃料を重点的に見極めることを念頭に置いた調査を行うこととする。

[1] 我が国及び欧米を含むアブラヤシ由来バイオ燃料を製造する複数の技術に関する状況(対象技術の開発段階と動向、不純物・安定性等に係る品質管理、経済性、廃液処理等)及びこれらの比較検討

[2] 事業の将来像の構築(原料調達、設備の規模及び概要、費用等)

[3] 比較検討に基づく技術の普及可能性及び効果(代エネ効果及び温室効果ガス排出削減効果等)

[4] 普及可能性に関する総括及び課題(追加的な措置の必要性等)等

 

3 )対象国政府に関する動向

[1] NEDO技術開発機構の国際エネルギー消費効率化等モデル事業(以下「モデル事業」という。)に対する協力方針、意欲及び意向

[2] 実施サイト候補への指導・支援措置等

[3] 日本側の供給設備に対する公租公課の免除及び事業完了後の取扱に係る措置

 

4 )実施サイト候補に探索に関する基礎的な情報の収集

 [1] 実施サイト候補の工場概要 イ)  製品、生産量、エネルギー需給状況

ロ)  経営方針・経営状況、資本動向(民営化、外国資本流入等)

ハ)  設備投資基準並びに限度額

 [2] 想定される事業対象設備の適用に係る立地・改修条件

[3] 対象設備の適用による効果、環境規制等諸規制との適合性

[4] 実施サイト候補における事業計画、事業遂行能力、導入意欲

[5] その他課題や懸案事項等

 

5 )事業発掘に係る検討

 [1] 事業の目的の明確化

[2] 対象技術と事業の概要(全体像、設備概要、実証内容、ソフト等)

[3] 実施サイト候補の概要

[4] 対象技術に基づくバイオ燃料の普及可能性

[5] 事業計画の具体化

[6] 事業計画に係る課題・懸案事項等

 

応募要領

1 )応募資格

 次のa.からc.までの全ての条件を満たすことのできる、単独ないし複数で受託を希望する企業等とします。 a. 当該技術または関連技術についての調査実績を有し、かつ調査目標の達成及び調査計画の遂行に必要な組織、人員を有していること。

b. 当該委託業務を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有し、かつ資金等について十分な管理能力を有していること。

c. NEDO技術開発機構が調査事業を推進するうえで必要とする措置を、適切に遂行できる体制を有していること。

2 )応募方法 a. 応募者は本要領に従い提案書類を作成し、「5.提案書類の提出期限及び提出先」に基づいてご提出下さい。ただし、FAX及びE-Mailでの提案書類の提出は受付けられません。

b. 次の公募関連書類がダウンロードできますので、ご参照下さい。 ・提案書類【Word2000フォーマット:210KB】【PDFファイル:239KB

・仕様書【Word2000フォーマット:36KB】【PDFファイル:145KB

・調査委託契約書(案)  

  http://www.nedo.go.jp/itaku-gyomu/h18_4yakkan/chousa/index.html

 

審査等

1 )審査

 以下の審査基準に基づき提案書類を審査します。審査の経過等に関するお問い合わせには応じられませんのでご了承願います。

2 )審査基準 a. 調査の目標がNEDO技術開発機構の意図と合致していること。

b. 調査の方法、内容等が優れていること。

c. 調査の経済性が優れていること。

d. 関連分野の調査等に関する実績を有すること。

e. 当該調査を行う体制が整っていること。

f. 経営基盤が確立していること。

g. 当該調査等に必要な研究員等を有していること。

h. 委託業務管理上、NEDO技術開発機構の必要とする措置を適切に遂行できる体制を有すること。

 

提案書類の提出期限及び提出先

(1) 提出期限:平成181031日(火)17:00必着

(2) 提出先:独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

エネルギー・環境技術本部 国際事業統括室(担当:真野・佐藤)

212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310 ミューザ川崎セントラルタワー18

※持参の場合は、16階「総合案内」で受付を行い、受付の指示に従って下さい。 

 

問い合わせ

本公募に関するお問い合わせは、下記までFAXにてお願いします。

 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

 エネルギー・環境技術本部 国際事業統括室(担当:真野、佐藤) FAX044-520-5193

 以上引用  

 

 

受講生の感想

 

「バイオエネルギーも環境問題の対策のひとつかもしれないが、もっと他にすることがあると思った」(男子)

「バイオエネルギーの作り方、使い方をもっとよく考えて知るべきであるという最後の言葉は印象的だった」(男子)

bioという言葉に騙されないよう、日本でも再生紙100%など嘘の表示があったし、製品が本当に環境に優しいものか見極めることもグリーンコンシューマーには必要なことだなと思いました。また自然エネルギーなどの自然に放出しても(取り出しても)無害なエネルギー(商品)というのは、結局どこかの自然を犠牲にするものが多いので、今回のビデオを見て余計にそのことを感じました」(女子)

「バイオ燃料は、自然環境には(石油より)優しいが、社会環境には決して良い影響を与えていない隠された事実があるんだと思った。自動車を使わない社会を目指せば貧困はなくなるのだろうか?」

戸田コメント 人類の歴史は700万年、現生人類の歴史は15万年、格差や貧困の歴史は数千年、自動車の歴史は100年余りなので、自動車がなければ貧困がないとは言えない。

「バイオエタノール入りのガソリンは環境によい」というようなことは最近よく聞きますが、一概に良いという訳ではないということが今回のDVDでよくわかりました。別の人々の生活を奪ってまで「エコ」ということにこだわるべきでないと思います。まず身の回りにある無駄を省くことが一番の「エコ」なのかもしれないと考えています。(私個人としてはバイオ燃料使用推進の根拠になっている「カーボンニュートラル」という考え自体おかしい気がします。)(女子)

戸田コメント 私も「カーボンニュートラル」という概念は不適切に用いられているように思う。今後の検討課題。アブラヤシ由来バイオ燃料の燃焼(炭酸ガス放出)とアブラヤシの生長(炭酸ガス吸収)は相殺してニュートラルになるとしても、アブラヤシ植林のための熱帯林伐採や焼却は正味の炭素放出になるはずである。また、バイオ燃料を日本に輸入するならば、輸送船舶の化石燃料消費(食糧のフードマイレージを想起せよ)も正味の炭素放出になるはずである。人間と人間の関係(先進国日本と発展途上国インドネシアの関係、アブラヤシ植林経営会社と農業労働者の関係など)と人間と自然の関係(林業技術、燃料技術など)を同時に考える必要があるし、持続可能性と公平性も同時に考える必要がある。滋賀の菜の花プロジェクトのようなバイオ燃料の地域循環(地産地消)がベターであろう。

「環境社会学Ⅰでは国内、環境社会学Ⅱでは国外のことについて学ぶことができてよかったです。私は、まだ日本はバイオエネルギーを導入すべきではないと思います。日本の自動車利用率は非常に高いので、さらなる混乱を引き起こすと考えられるからです。」(女子)

「バイオディーゼル(バイオ燃料)は、有害物質を増やす可能性があるのではないか? しっかりと使い方を守らなければいけない」(女子)

「バイオエタノールの燃料は身近にないが、使用には気をつけなければいけない。菜の花プロジェクトはとてもいいものだ」(男子)

「中国の野菜も怖いし、バイオ燃料も考えものだ」(男子)

「バイオ燃料は本当に環境にやさしい燃料なのでしょうか。カーボンニュートラルの考え方は無理矢理な気がします。それに食べ物であるトウモロコシなどを原料とするため、このままバイオ燃料を使い続けると、世界的な食糧不足におちいると思います。結局は日本のような先進諸国の便利な生活のために途上国の人々を苦しめることになっているバイオ燃料には期待できないと思います」(女子)

戸田コメント 現在世界66億人のうち10億人くらいの人が飢えているのは(毎日2万人くらい餓死)、地球の食糧不足が原因ではなく、分配の不平等(農民でもないし購買力もない貧困層の存在など)が原因である。しかし地球人口の80億人への接近や気候変動、異常気象に伴って、今世紀半ば以降に地球の食糧の絶対的不足が生じる可能性もあり、バイオ燃料(食べ物を燃やす)がそれを加速する可能性も否定できない。

「バイオエタノールは環境にいいと思うが、それによって食品の価格が高騰していくのが心配になった。資源の乏しい、輸入大国の日本にとっては少し不安な要素だなと思った。個人的にジュゴンなどの自然の権利に注目していきたい」(女子)

「SOやNOについてもバイオエタノールで減らすことはできるのでしょうか? COとSOやNOを両方減らしてこそ、地球にやさしいと言えると思う」(男子)

戸田コメント ウィキペディアの「窒素酸化物」には次のように記述されている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AA%92%E7%B4%A0%E9%85%B8%E5%8C%96%E7%89%A9

「自然界において窒素酸化物は、雷あるいは土壌中の微生物によって生成される。たとえば微生物が多い土壌に豊富な化学肥料を与えると土壌微生物が分解して窒素酸化物を放出する例が知られている。物質が燃焼するときにも一酸化窒素や二酸化窒素などが発生する。この場合、高温・高圧で燃焼することで本来反応しにくい空気中の窒素と酸素が反応して窒素酸化物になる場合と、燃料由来の窒素化合物から窒素酸化物となる場合がある。たとえば、排気ガスや天然ガスボイラー(家庭用調理ガス器具を含む)などから排出される窒素酸化物は前者が主であり、石炭が燃焼した場合の窒素酸化物はそのほとんどが石炭中の窒素化合物に由来することが知られている。」

ウィキペディアの「硫黄酸化物」には次のように記述されている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%AB%E9%BB%84%E9%85%B8%E5%8C%96%E7%89%A9

「石油や石炭など硫黄分が含まれる化石燃料を燃焼させることにより発生する。大気汚染や酸性雨などの原因の一つとなる有毒物質。また、自然界においても火山ガスなどに含まれている。

硫黄酸化物は水と反応することで、硫酸や亜硫酸を生じる。

196070年代には、石油や石炭を燃やすときに排ガス処理装置をつけていなかったため、産業活動の活性化に伴い硫黄酸化物が大量に排出され、大気汚染の原因となった。特に三重県四日市市のコンビナートでは、四日市ぜんそくとしても知られる公害病が発生し、社会問題となった。

現在では、大気汚染防止法によって環境基準が定められるとともに、排煙脱硫技術の進歩、脱硫した石油の使用などによって、硫黄酸化物の大気中濃度は大幅に改善されている。

一方、中国で発生した硫黄酸化物が偏西風によって日本に運ばれ、大気汚染や酸性雨の原因となることが懸念されてきている。国立環境研究所の調査では日本で観測される硫黄酸化物のうち 49% が中国起源のものとされ、続いて日本 21%、火山 13%、朝鮮 12% とされている。」

窒素酸化物では、自動車排気ガスなどは空気中窒素由来、石炭火力発電所などは燃料由来である。硫黄酸化物はたいてい園量由来である。ではバイオ燃料はどうか。バイオ燃料は、エタノール(バイオエタノール)あるいは植物油(バイオディーゼル)である。窒素は植物のどこにあるか。蛋白質は核酸である。バイオ燃料は蛋白質も核酸も使わないので、燃料由来の窒素はない。しかし、普通の自動車排気ガスと同様に、空中窒素由来の窒素は避けられない。硫黄はどうか。蛋白質の含硫アミノ酸などである。バイオ燃料に燃料由来の硫黄はない。したがって、バイオ燃料で硫黄酸化物問題はないが、窒素酸化物は脱硝技術次第である。

「温室効果ガスをほとんど出さないバイオエタノール、その言葉の響きはとてもよいものだが、世界中で十分な食物があるにもかかわらず、今も飢えている人々がいる。私たちが環境のためによいことを行っているつもりでも、他方ではある人々を苦しめているということがわかり、少し複雑な気持ちになった。環境問題の解決が、貧富の格差の拡大や、生活費の上昇など、様々な問題が生じていることは、環境問題への取り組み方を考えねばならないと思う」(男子)

「日本イラク医療支援ネットワークの2月14日のバレンタインデーに合わせて募金を集め、募金をしてくれた人にチョコを渡すという活動を初めて知った」(女子)

「バイオエタノールは一見環境に優しいようですが、目先のことしか見ていないものだと思いました」(女子)

「バイオディーゼルも全てが全て地球環境に良いものとは言えないということを学んだ。どんなものであれ、持続することが不可能であるものは行うべきでない。小さなレベルで見るのではなく、地球全体が持続しえる開発であるべきだと思った」(男子)

戸田コメント 石油や石炭と違って生物資源は非枯渇生(持続可能)のはずだが、乱獲すれば絶滅するし、南北格差を拡大して「社会的に持続不可能」なこともありうる。

「バイオ燃料がどのような流れで作られているのか、問題点があることを忘れていた」(女子)

「今回のビデオを見て、改めてバイオ燃料というものが、本当に環境にやさしいものであるのか、疑問に思った。バイオ燃料を作っても、使用するエネルギーのわずかしか補えない上に、エネルギー作物を作る過程で多くのエネルギーコストがかかってしまう。バイオ燃料は良い面よりも、悪い面の方が多いと感じた。「物の向こう側の世界をもっと見るべき」という言葉がとても印象に残った」(男子)

戸田コメント 映像に名前の出てきた米国のピメンテル博士は農業のエネルギー収支分析の第一人者で、近代農業が石油浪費的であることを明らかにした。「物の向こう側の世界を見ること」を米国の社会学者ライト・ミルズ博士は「社会学的想像力」と呼んだ。

「サトウキビなどの穀物をバイオエタノール燃料に使う一方で、食料がなくて困っている人々がいるのはおかしな話だと思います」(男子)

戸田コメント 年間1900万トン(国内消費量の約3分の1)もの食料を廃棄(残飯化)している日本(星川淳「調査捕鯨」朝日新聞「私の視点」2008年1月31日)が、大量の食料、大量の飼料、大量の木材に加えて、大量のバイオ燃料まで輸入するならば、どうなるのだろう。

「私自身バイオマスのエネルギーに関してただ単に環境に良いものだろうという認識がありませんでした。外聞的にいいものと言われているものでも、よく考えてそれがどんなものなのかを確かめていこうと思いました」(男子)

「バイオ燃料は確かにエコではある。しかしバイオ燃料のため小麦やとうもろこしの価格は上がる。そのため貧富の格差が広がる。またパームヤシを育てるために、熱帯雨林を伐採する。バイオ燃料を何のために使用しているのかわからない。バイオ燃料の良いところだけでなく、悪いところも世間にわからせないといけない」(男子)

「一般人にお前らの使うバイオ燃料のせいで途上国では環境破壊が起ころうとしているといったところで、どれだけの人がそれを理解できるのか疑問です」(男子)

「バイオ燃料の原料を途上国から輸入するのはおかしい」(男子)

「昨日、おとといくらいから中国(冷凍ぎょうざ)の農薬についての問題があがっていますが、どのように考えますか? 開発しているのだから仕方がないというようになりますか? 米国は、イラクなどを攻撃して石油を手に入れてもうけようとしていて、後から理由づけをしていました。自分たちの態度に問題があるように思われます。どうでしょうか?」(男子)

戸田コメント 中国は質的にも(日本で登録されていない農薬の使用)量的にも、農薬の使いすぎである。今回の事件であるが、中国企業の管理ミスで農薬が混入したのか、外部の犯罪者が農薬を注入したのか、不明である。あってはならない事件であるが、あえて言えば農薬汚染した欠陥冷凍商品で誰も死んでいない。しかし輸入したのはJT(日本たばこ産業)の子会社JTフーズである。JTの主力商品である煙草は、欠陥商品でない普通の合法的商品を普通に消費して、年に日本で11万人、世界で500万人が煙草病で死んでいる。JTは、フイリップモリス、ブリティッシュアメリカン・タバコに次ぐ世界3位の煙草会社である。構造的暴力(有害商品の合法的販売)は、凶悪犯罪(食品への毒物混入)よりも恐ろしい。米国の「公共事業としての戦争」も、もちろん問題である。

「バイオ燃料というと聞こえがいいが、これからは食料危機などもあるかもしれないので、慎重さが必要」(男子)

「自分たちはエネルギーを使う側でバイオ燃料はいいものだと思っていたが、その裏側にある作る側のことも考える必要がもっとあると思った」(男子)

「良い、悪い、そうだ、そうでない、というのは見えにくい。知らなければ、一面だけに流されてしまう」(男子)

「なぜ途上国からバイオ燃料を輸入するのだろう」(男子)

「CO削減のためにトウモロコシをエネルギーに使った車を作っても、そのトウモロコシ栽培のために熱帯雨林を伐採してしまっては、何のために車を作ったのか、意味がないと思いました。また、地球温暖化も問題ですが、人類は同時に食料不足という問題もかかえているのに、食料をエネルギーとして使うのはもったいないと思います。車を改良してCOを減らすのではなく、いかに車を使わないで生活することができるかを考えるのが、本当の地球温暖化防止だと思います」(女子)

「植物(森林)を伐採すると植物が含んでいる炭素が出るとは知らなかった。ただ単に、光合成が起こる数が減ることで二酸化炭素量が出るものだと思っていた。また、バイオエネルギーについて、今まで名前くらいしか知らなかったが、詳しいことを学べて良かったと思う」(男子)

「難しかったです」(女子)

「今回の講義で見たバイオエネルギーの映像は、バイオエネルギーに関する多くの立場からの視点があり、それらを統合して、私たちがどのように考えるべきなのか、真実は何なのかというのをしっかり示していると思う。今日、多くの情報が世界に飛び回っているが、それらを統合して何が最良かを判断するのはとても難しい。今回の映像資料のように1つにまとめられていたら良いが、そういうものはあまりないように思う。あっても私たちの身近に存在し、簡単に触れることができるわけではない。私は、真実を発信するということにとても重要性を感じるが、どのようにすればそれがよりなされるだろう」(男子)

戸田コメント 私の研究室にはこのサイトの映像リストで主なものを列挙したようにかなりたくさんの映像資料が(たくさんの本も)所蔵されているが、良質なものも多い。授業でも映像を厳選して活用しているが、時間の関係で見せられないものが多いので残念である。授業とは別に「環境問題や人権問題の映像を見る自主的な活動」ができないものであろうか。

「ガソリンの代用としてバイオガソリンが広まっていますが、使用を思いとどまってほしいと思いました。先進国の都合で発展途上国が振り回されているようでした。その背景には、バイオの原料を主食としている人々が苦しんでいるということを、メディアを通して伝えてほしいです」(女子)

「バイオ燃料と聞くといいイメージがあり、今までの私なら簡単に推奨していました。しかし、今回の話を聞き、うかつに推奨できないことがわかりました。外国からバイオ燃料を輸入していると、その外国自体の環境が悪化しており、また、地球全体の環境も悪化しているようです。本当に地球環境を考えるなら、車に乗ることを控え、自国内でのバイオ燃料生産などを推奨するべきだと思いました」(女子)

「今日の話はとても興味深かった」(女子)

「バイオ燃料への考えが変わった気がする。知ることは重要であり、それによりその物事に対しての考えを再認識、また改める機会となった」(男子)

「今回、バイオ燃料を使うことで発生してくる問題がわかった。プランテーション開発による熱帯雨林の破壊、連作障害、食料価格の高騰など、様々な問題が発生している。バイオ燃料を使うことの利点のみを見るのではなく、たくさんの問題点にも目を向けていかねばならない」(女子)

「バイオ燃料を作るのにも多大なエネルギーが必要で輸送費もかかるということは知っていましたが、プランテーションが予定されている地域での問題は初めて聞きました。動物や森、草がなくなるだけでなく、人々の関係も悪くなるというのは心が痛みます」(女子)

「バイオ燃料は日本でもこれから導入が進んでいくのかなと思いました。ですが今回の映像を見ると、やはり低燃費車の開発や交通手段の変更などでCO排出をおさえた方がいいと思いました。日本の車メーカーはどのくらいバイオ燃料車の生産をしているのでしょうか。やはり海外の方がかなり進んでいるのでしょうか。」(女子)

戸田コメント ハイブリッド車、天然ガス車、電気自動車と違って、バイオ燃料は従来のガソリン車(バイオエタノール)、ディーゼル車(バイオディーゼル)に使うのが主眼だろう。とはいえ、「バイオ燃料車」をグーグル検索すると、マツダ、トヨタなどの情報が出てくる。エタノール車先進国はもちろんブラジルである。「ノースカロライナ州でバイオディーゼル車を運転すると罰金を科せられるかもしれない。同州ではバイオ燃料の生産および消費を促進しようと努めているが、同時に輸送用燃料からの税収も求めている。そのため植物油で車に給油した運転者は税を回避したとして罰金を徴収されることになると、「Charlotte Observer」紙が報じている。同紙によれば、ミュージシャンのBob Teixeira氏は同州から1000ドルの罰金が科せられ、連邦政府からも別に1000ドルの罰金がくるかもしれないという。Teixeira氏は1981年製ディーゼル仕様のMercedesに、Costco Wholesaleで購入した植物油を給油している。同氏の車を合法的に植物油で走行させるためには、2500ドルの支払い保証を提供する必要があると、Charlotte Observer紙は記している。アルコールで車を走行させたとして罰金をとられた運転者もいる。その昔、アルコールは密造酒として売られていた。しかし法的な対策も進んでいるようだ。同州の税務局は、支払い保証の義務を小規模ユーザーに対しては免除するよう議会に要請している。」との報道もある。http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20350878,00.htm

「バイオ燃料が注目されているのは知っていました。私もエコの1つだと思っていました。しかし映像を見ていくと、輸入に頼ったり、発展途上国でプランテーションを作ったり、今現在でも飢えで死んでいく子供たちがいるのに、今のやり方では、更に貧富の差をうむだけだと思いました。日本もトウモロコシなど飼料を輸入に頼り切りというのは、作物をつくっても、つくっても生活に苦しんでいる人たちのことを考えていないと思います。これから日本はもっと農業の方に力を入れていくべきだと思います。人が持続可能な社会を築いていくには、植物との関わりがかなり大事になります。でも、その利用方法をまちがっては、更に暗い未来が待っているかもしれません」(女子)

「バイオエネルギーの普及がもっと広まれば地球温暖化を食い止めることができるかもしれないと思った。しかし、バイオエネルギーの使用は発展途上国の食料問題と関連しているので、この問題を解決する必要があるだろう。」(男子)

「バイオ燃料は環境にやさしいと言われ、そのように考えていたのに、エネルギー効率が0.77という仮説が存在すること、車のために途上国の人々が苦しめられていること、その土地の生態系が壊されていることを知って、ショックでした。情報をありのままに受け入れるのではなく、自ら、詳しく調べることが重要であると感じました」(男子)

「やっぱりバイオ燃料は失敗ですね。エネルギー生産のために食料を犠牲にするとか、ありえないですね」(男子)

「バイオ燃料に関しては以前から余剰分の作物、穀物などは、途上国、貧困国に援助すればよいのにと考えていただけに、今回のビデオでの意見は非常に同意しました。アメリカ等の世界の穀物事情で強い影響力を持つ穀物メジャーが自分たちの都合でバイオ燃料を推し進めているのではないかと思いました」(男子)

「バイオディーゼルとバイオエタノールに分かれているのは知りませんでした。トウモロコシは荒れた土地でも簡単にできるため、バイオ燃料に使われ、価格が上がるのは想像できましたが、小麦を作る人々が減って、小麦の価格が上がるのには驚きです。バイオ燃料は環境に優しいかもしれませんが、貧しい人々の食料調達が難しくなるので、簡単に「バイオ燃料を使おう」とは言えないと思いました」(女子)

「バイオ燃料は環境にやさしいと思っていたのに、実際はコストの方がかかると聞いて残念です。私たち先進国に生きる人々が何も考えずに車に乗っていることで、食料が手に入らない人もいるのだと思いました」(女子)

「エタノール燃料は環境にいいものだと思っていた。しかし、私たちの食料を奪っているものだと分かって驚いた。他の代替エネルギーを使っていくことが望まれると思った」(女子)

「バイオエタノールを活用しても、これからの時代、エネルギーが足りるか疑問です」(男子)

「環境にいいとばかり思いこんでいたバイオエタノールに様々な問題が絡んでいることに驚いた。いかに私たちが経済的に目先のことだけを見て、その奥の本当の姿が見えていないかを実感した」(男子)

「今日本で問題のガソリンや小麦などの値上げは、アメリカなどでも起こっているのですか」(男子)

戸田コメント 世界的な問題である。

「バイオ燃料についてよくわかりました。なぜ、バイオ燃料が地球にやさしい燃料なのか、カーボンニュートラルとはどのような仕組みなのかということがわかりました。しかし、バイオ燃料を使う時にも、いろいろ考えなくてはならないと感じました。また、募金をしてくれた人にお返しのチョコレートを渡す取り組みは、良い方法だと思いました。若い人や、今までイラクの子どもたちに興味を持てなかった人も、自然と協力できて、子供たちのことを知るきっかけになると思います」(女子)

「燃料を作物から取るとエネルギーコストがかかり過ぎるというのは知らなかった。また、バイオエタノールは必ずしも環境に良いものとはいいきれないと思いました」(男子)

「バイオ燃料は貧困を生み出すものというのに驚いた。でも菜の花プロジェクトは良い取り組みだと思った」(男子)

「バイオ燃料も燃やせば炭酸ガスを放出する。でも植物が光合成で用いるのに吸収した炭酸ガスと、燃やして放出される炭酸ガスの量はプラスマイナスゼロという「カーボンニュートラル」の考えによって、化石燃料より地球にはやさしいと言われているが、「カーボンニュートラル」の考えには輸送などで放出される炭酸ガスは含まれていないので、「カーボンニュートラル」の考えは正しいのかどうか分からない」(男子)

「バイオ燃料はエコカーの生産など新たな市場を生み出し、経済発展と環境保全を両立させるために必要だと思います。しかし、バイオ燃料の原料とする作物をつくる人々が食べるための作物がないというのは矛盾した話だと思いました」(男子)

「今までバイオ燃料を使用することについて、良いことだと思っていました。しかし、実際は「炭酸ガスが減ること」が良いことと言われてきたが、そのバイオ燃料の輸送や生産時の炭酸ガス排出のことは考えられていなかった。使用することによりエネルギーは安定するし、石油燃料の省使用には効率性が高まれば良いことと考えられるが、そのためにはまたどこかに負荷がかかっている。(遺伝子組み換えとか)価値の競合だなと感じた」(女子)

「バイオ燃料のための米が日本でできていると初めて知りました。バイオエタノールは糖の発酵によって得られ、特にトウモロコシは効率よく純度の高いデンプンが得られるので工業作物として重要です。バイオ燃料の生産推進は食用分の減少につながるなどの問題や、本当に炭酸ガス削減につながるのかといった問題があるので、それらを解決すればよりよいエネルギーとしてバイオ燃料が作られるようになると思います」(女子)

「ジュゴンがペンタゴンに勝った」こう見ると、ずごいインパクトがあります。なんかこういろいろと、もっといい方法ないのかな、とか思います。遺伝子の組み換えは嫌です。個人的に」(女子)

「バイオ燃料が必ずしも良いとは思っていなかったが、それが食料問題につながるとはあまり考えたことがなかった。世界の政府はもっと広い視野を持つべきである」(男子)

「バイオエタノールは炭酸ガスを減らしながら石油への依存を減らせるのは良い点だが、輸送や精製の段階にも炭酸ガスは発生する。トウモロコシは世界で「食料から燃料のために」という動きにここ最近なっている。8億人の燃料のために20億人の食料を犠牲にしていると言えるので、バイオ燃料がいちがいに良いとは言えないと思った。最新の映像資料なので、とても勉強になった」(男子)

「せっかく環境にやさしい、従来のガソリンに替わるものが開発されてよかったと思っていたけど、日本や他の先進国にとってはよくても、最貧国の基本的生活構造をこわしてしまうとなると、エネルギー開発はやはり難しいと感じた」(女子)

「バイオ燃料は多くの問題を抱える以上、それを利用していくのはやはりおかしいのではないでしょうか。燃料に関する問題は、非常に難しい問題ですが、少しでもリスクの少ない解決法を探していかなければならないと思います」(男子)

「土地は車ではなく人々の食料のために使われるべきだ」とビデオの中で言っていたことがとても印象的でした。バイオエネルギーは環境にやさしいエネルギーだと思っていましたが、全米のすべてのトウモロコシを使っても全米のガソリンの12%しかまかなえないということを知り、驚きました。クリーンエネルギーのために食料を得られない人々がいます。何が正しいのか分からなくなりました」(女子)

「バイオエタノールの原料となるパームヤシやサトウキビを生産するために森を伐採し、プランテーションを作ったり、人々が住む場所を追われるという現実があることがわかりました。エコと名乗りながら、製造に至るまでに環境破壊を起こしているという現実は、早急に何らかの対処をとる必要がある問題だと思います。日本ではドライバーが毎日500メートル走行距離を減らすだけで130万トンの炭酸ガスが削減できるという話がありましたが、そのように、新しい燃料を導入するより、今削減できるエネルギーを削減すべきだと思います」(女子)

「バイオエネルギーを使い、石油への依存を減らしていくのはいいと思うが、大量にバイオエネルギーを作る過程での労働者や土地の利用の方法には問題があると思いました。私は、各家庭から出る廃油の利用の方が日本のガソリンに代わるものとしていいと思いました」(女子)

「バイオエネルギーが使われるようになって、小麦などの値段が高くなってしまった。バイオエネルギーは環境を考えるうえでは有効であるが、食料不足など他の問題を引き起こしてしまっている。バイオエネルギーを使用するのはよいが、貧困国などの食料問題を解決してからバイオエネルギーに転換していかねばならないと感じた。ある問題を解決するために別の問題を引き起こしては意味がないと思った」(女子)

「バイオエタノールの知識はあまりなかったので、とても勉強になりました」(女子)

「バイオ燃料の問題が食料問題とこれほど深く関わっているとは思わなかった。今日の映像を見ると、本当にバイオ燃料が環境問題を解決できるのであろうかと不安に感じた」(男子)

「バイオエタノールは本当に地球に優しい技術なのか疑問だ。ジュゴンの新聞記事を見てかわいそうに思った」(女子)

「資料のジュゴンがかわいそうだった」(女子)

「バイオ燃料のために食べ物を得られない人がいるなんて、おかしいことですよね。日本でいろんなものが値上がりするのもいやです。バイオ燃料を使う人は環境にいいと思っているのかもしれないけど、そのために世界中で食べ物を得られない人や土地を追われる人もいるのだということを知っておくべきだと思いました。藤井さん(菜の花エコプロジェクト)の考え方がとても素敵だと思いました」(女子)

戸田コメント 日本の食料その他の値上がりは、バイオ燃料需要増大も一因であるが、100ドル原油の出現にみられる石油高騰(イラク戦争、イラン核問題、新興工業国の需要増大、投機資金などによる)など様々な原因が複合している。

「バイオエタノールを使うことによって、食料の値段が高くなり、食べる量も減ってしまった。燃料問題と食糧問題がからみあっている。どちらを優先すべきなのだろうか。この問題には興味がわいた」(男子)

「バイオ燃料を作ることで問題が起こることを一般の人が知っていたのは驚きだった。炭酸ガスは有機物を燃料とする限り絶対に排出されるので次世代燃料は水素がいいかな。」(男子)

戸田コメント 世間で「水素エネルギー」「水素社会」が美化されている気もする。水素をどこから得るか。天然ガスから得るとか、中には原発から得るという意見まである。

「バイオエタノールの開発段階で毒性評価を欠いているのは論外である。もし甚大な被害が出たとしたら構造的暴力である」(男子)

戸田コメント 毒性評価を欠いていたとまでは言えないが、燃料添加剤についての毒性評価が不十分だったと思う。

「バイオ燃料は一見環境にやさしい燃料であったが、地球環境と生産国、輸出国の状況から見ると、そうではない。まだまだ未熟な技術であって、本当に環境にも人間にもやさしい燃料が必要だと思います」(男子)

「バイオ燃料はメリットとデメリットがある。メリットは炭酸ガスを削減できることですが、バイオ燃料の使用に伴ってトウモロコシと大豆の値段が上がってきた。熱帯雨林も減少している。地球全体を見ると、バイオ燃料を使わない方がいいと思う」(男子)

「環境社会学Ⅱの授業を通して、本当にいろいろなことを考えるきっかけになりました。このことは、私以外の方も思うところでしょう。先生のおかげで多くの方がいろいろなことを考え、行動するきっかけを得られたのは、喜びの気持ちをおさえきれないです。私は現在、六ヶ所村の再処理稼働に反対しています。これからは政府が当たり前のように進めている原発推進に監視の目を向けていきます。」(男子)

 

 

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