劣化ウラン兵器とベトナム枯葉作戦(環境社会学Ⅰでの映像使用例)

2008年5月20日 2008年5月28日改訂

●文章作成中●

『イラク 戦場からの告発』西谷文和撮影、イラクの子どもを救う会(大阪府吹田市)DVDビデオ、2007年、32分 戦争あかんシリーズ2★

この映像についての問い合わせ先 イラクの子どもを救う会 http://www.nowiraq.com/

『私たちはこんな姿で生まれたくなかった ベトナム戦争・枯葉剤の犠牲となった子供たち』VHSビデオ、IFCC国際友好文化センター、2001年、13

キーワード:ベトナム枯葉作戦、ダイオキシン汚染、第三世代への影響

この映像についての問い合わせ先 IFCC国際友好文化センター http://ifcc.jp/

    JVPF日本ベトナム平和友好連絡会議 http://jvpf.org/

配布プリント 石田博士「コカ撲滅除草剤 被害飛散 コロンビア散布、エクアドルSOS 「ベトナムの悲劇」警告も」『朝日新聞』2007年2月4日 / 藤田祐幸「反劣化ウランと反原発」『反原発新聞』2004年2月号

5月19日(月曜クラス)/5月●日(火曜クラス)

●劣化ウラン兵器

劣化ウランとはウラン濃縮によって生じる廃棄物である。天然ウランのウラン235を濃縮して「濃縮ウラン」をつくるときに「劣化ウラン」(depleted uranium:DU)を生じる。「劣化」とは、「ウラン235の含有量が少ないので原爆にも核燃料にも使えない」という意味であって、放射能が少ないとか、放射能がないという意味ではない。1991年以降の劣化ウラン兵器の使用は深刻な放射能汚染をもたらした。イラクなどでの小児白血病などの急増はその影響と推定される。

日本の最初の原発は英国式コールダーホール型で天然ウランを燃料としたので劣化ウランと関係ない。低濃縮ウランを用いる米国式の軽水炉は1970年からである。岩波書店の『理化学辞典』にも1970年の版から「劣化ウラン(減損ウラン)」が収載されている。

100万キロワット発電所を1年間運転するのに、火力発電所では100万トンの燃料(石炭や石油)が必要だが、原発は30トンの核燃料ですむから効率的だ」という説明の仕方は詐欺(さぎ)的である。その30トンの核燃料をつくる過程で膨大な放射性廃棄物を生じるからである。

小出裕章さん(京都大学原子炉実験所)の「地球温暖化問題の本質」(2007年)にある「100 kW の原発を巡る一連の流れ」の図がわかりやすい。

http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/crisis.pdf

ウラン鉱山から13万トンのウラン鉱石を得るときに240万トンの残土(放射能を含む)を生じる。

13万トンのウラン鉱石から190トンの天然ウランを得るときに13万トン近い鉱滓(低レベル放射性廃棄物)を生じる。

190トンの天然ウランから30トンの低濃縮ウランを得るときに160トンの劣化ウラン(低レベル放射性廃棄物)を生じる。

日本はウラン濃縮の大半を米国に依存している(ウラン濃縮工場に大型火力発電所2基から電力供給)。日本の電力会社は劣化ウラン(廃棄物)の所有権を放棄して濃縮ウランだけを輸入するので、米国は日本向け工程で生じた劣化ウランを軍事利用するであろう

●ベトナム枯葉作戦

19611971年に米軍(ケネディ・ジョンソン・ニクソン政権)が行った農薬の軍事利用。除草剤2,4,5-T、2,4-D(いずれもフェノキシ系有機塩素剤)などが使われ、その不純物のダイオキシン類が膨大な被害をもたらした。熱帯林破壊と食糧破壊が目的。ダイオキシンは特に2,4,5-Tに多かった。除草剤2,4,5-Tと枯葉作戦については、植村振作ほか『農薬毒性の事典 改訂版』(三省堂2002年)104頁、132頁を参照。日本では農薬としては1964年に登録、1975年に失効。除草剤、植物成長調整剤(リンゴ、ウメ、アンズなどの落果防止、肥大促進、着色促進)。

 

●劣化ウランについての文献

国会図書館の目録で書名の「劣化ウラン」で検索すると下記が出てくる。ただし『ヒロシマ・アピール』は最新版のみを示して旧版は省略した。

Hiroshima appeal : 劣化ウラン兵器禁止を求めるヒロシマ・アピール3次改訂版 NO DU(劣化ウラン兵器禁止)ヒロシマ・プロジェクト編(劣化ウラン弾禁止を求めるグローバル・アソシエーション2006年)

『戦火の爪あとに生きる : 劣化ウラン弾とイラクの子どもたち』佐藤真紀(童話館出版[長崎市]2006年)同社はJR長崎駅の近くにある。環境科学部卒業生2名の勤務先。

『ヒバクシャになったイラク帰還兵 : 劣化ウラン弾の被害を告発する』佐藤真紀編(大月書店2006年)

『真実を聞いてくれ : 俺は劣化ウランを見てしまった』デニス・カイン、阿部純子訳(日本評論社2006年)

『ユーゴ空爆で使われた劣化ウラン弾が人々を苦しめている』Stop!劣化ウラン弾キャンペーン編(実践社2006年)

『内部被曝の脅威 : 原爆から劣化ウラン弾まで』肥田舜太郎,鎌仲ひとみ(ちくま新書2005年)

『汚れた弾丸 : 劣化ウラン弾に苦しむイラクの人/アフガニスタンで起こったこと : 不屈の医師中村哲物』三枝義浩(講談社コミックス2004年)『少年マガジン』初出の漫画なので一番わかりやすい。

『マンガ版劣化ウラン弾 : 人体・環境を破壊する核兵器!』白六郎作画、藤田祐幸,山崎久隆監修(合同出版2004年)

『ぼくは小さな灰になって : あなたは劣化ウランを知っていますか?』御庄博実,石川逸子(西田書店2004年)御庄は広島被爆者で医師、石川は詩人。

『海乃華 : 劣化ウラン弾の被害者の声を聞いて!!』松林浄蓉(利根川幸也[所沢]2004年)国会図書館所蔵。自費出版であろう。

『知られざるヒバクシャ : 劣化ウラン弾の実態』田城明(大学教育出版2003年)

『放射能兵器劣化ウラン : 核の戦場ウラン汚染地帯』劣化ウラン研究会(技術と人間2003年)

『イラク : 湾岸戦争の子どもたち : 劣化ウラン弾は何をもたらしたか』森住卓写真・文(高文研2002年)

『劣化ウラン弾 : 湾岸戦争で何が行われたか』国際行動センター,劣化ウラン教育プロジェクト編、新倉修監訳(日本評論社1998年)

『劣化ウランの核燃料サイクルにおける状況(核的性質,再利用,経済性,及び処分上の選択肢)に関する専門家会議 : 海外出張報告書』(核燃料サイクル開発機構人形峠環境技術センター[上齋原村(岡山県)2000年)国会図書館所蔵。国の報告書。人形峠は19501960年代に採掘されたウラン鉱山。

「劣化ウランの有効利用法としての電力貯蔵用ウラン・レドックスフロー電池の開発」 白崎謙次他『黎明研究成果報告集. 平成17年度』池添博編(日本原子力研究開発機構[東海村(茨城県)2007年)国会図書館所蔵。国の報告書の所収論文。

その他の文献(このように国会図書館で「劣化ウラン」検索しても捕捉できない文献がある)

『イラク 占領と核汚染』森住卓写真・文(高文研2005年)

『写真集 イラクの子供たち』豊田直巳(第三書館2002年)

『カラー版 子どもたちのイラク』日本国際ボランティアセンター(岩波ブックレット2003年)

『月刊保団連』2004年6月臨時増刊号「いま、イラクの子どもたちは」全国保険医団体連合会

1985年日航機事故、1996年インドネシア・ガルーダ航空事故の頃までは民間航空機の主翼、尾翼のおもりとして劣化ウランが使われていた。

●劣化ウランについてのウェブサイト

イラク国際戦犯民衆法廷(ICTI) http://www.icti-e.com/

 

イラク世界民衆法廷(WTI)広島公聴会 http://www.h3.dion.ne.jp/~nowar/wti/

 

イラクの子どもを救う会 http://www.nowiraq.com/

 

イラクの子どもたち支援運動 http://jimco.exblog.jp/ 写真多数

 

日本イラク医療支援ネットワーク(JIMNEThttp://jim-net.net/contents.html

  JIM-NETスタッフblog http://blog.livedoor.jp/jim_net/

 NO DU(劣化ウラン弾禁止)ヒロシマ・プロジェクト  http://www.nodu-hiroshima.org/

森住卓(写真家)http://www.morizumi-pj.com/

  森住卓フォトブログ http://mphoto.sblo.jp/

劣化ウラン研究会http://www.jca.apc.org/DUCJ/index-j.html

 

劣化ウラン廃絶キャンペーン http://www.cadu-jp.org/contents.html

 

劣化ウラン兵器禁止・市民ネットワーク http://www.nodu.net/

Campaign against Depleted Uranium;CADU(劣化ウラン禁止キャンペーン)  http://www.cadu.org.uk/

International Action Center (国際行動センター)http://www.iacenter.org/

International Coalition to ban Uranium Weapons;ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)http://www.bandepleteduranium.org/

Military Toxics Project;MTP(軍事用毒物プロジェクト) http://www.miltoxproj.org/

●劣化ウランについての映像(授業使用の映像以外のもの)

『悪の枢軸とは誰のことか 劣化ウラン弾とイラクの子どもたち』劣化ウラン弾禁止を求めるグローバル・アソシエーション、2002年、13分  キーワード:湾岸戦争、劣化ウラン弾、イラク戦争の切迫  備考:英語版あり

『アルモーメンホテルの子どもたち がんと闘うイラクの家族(BSドキュメンタリー)』NHK BS1 2005年5月14日 50分  キーワード 劣化ウラン兵器、放射能、小児癌の増加

『イラク 戦禍にみまわれた子供たち』NHK、1999年3月14日放映、BS日曜スペシャル、58分  キーワード:湾岸戦争、劣化ウラン兵器、白血病、イラクの子ども

『イラク戦争の真実 被害の実相とアメリカの戦略』日本平和委員会、日本電波ニュース社、2003年、25分  キーワード:イラク戦争、劣化ウラン兵器

 『イラク劣化ウラン弾被害調査 ドイツ医師13年の足跡』NHK、BS、2005年1月4日、50分  キーワード:湾岸戦争、劣化ウラン兵器、白血病、イラクの子ども

『知られざる劣化ウランの恐怖 イラクの子どもたちは、今』NO DU ヒロシマ・プロジェクト制作、2005年、日本語版23分、英語版23分  キーワード:劣化ウラン兵器、イラク戦争、白血病、小児癌、アサフ・ドラコビッチ博士       備考:1本のビデオに日本語版と英語版を同時収録しているので、英語学習にも便利である。

 『ヒバクシャ 世界の終わりに』鎌仲ひとみ監督、2003年、DVD、116分、グループ現代  キーワード:イラクの劣化ウラン被害、米国の核施設周辺農民の被害、日本の原爆被爆者

『ブッシュを裁こうPart2 ブッシュ有罪』アフガニスタン国際戦犯民衆法廷実行委員会制作,2004年,ビデオプレス,マブイ・シネコープ(大阪)発売。VHSビデオ。35分   キーワード:民衆法廷、同時多発テロ、アフガニスタン侵攻、誤爆、空爆の思想、戦争犯罪、平和に対する罪(侵略の罪)、人道に対する罪、東京裁判、ニュールンベルク裁判、劣化ウラン弾、クラスター爆弾

『ポイズン・ダスト 米軍による劣化ウラン汚染』劣化ウラン研究会企画、ビデオプレス、2006年、DVD、30分  キーワード:劣化ウラン兵器、イラク戦争帰還兵、健康影響

『劣化ウラン弾の嵐』日本語版、アルジャジーラ、1999年、80分  キーワード:湾岸戦争、劣化ウラン兵器、白血病

 『劣化ウランの恐怖』市民平和訴訟の会企画、ビデオプレス制作、1998年、35分  英語原題は、Metal of Dishonor,米国、Peoples Video Network1997年  キーワード:湾岸戦争、劣化ウラン兵器、白血病、帰還兵、イラクの子ども、経済制裁、構造的暴力、国家犯罪

『湾岸戦争の子供たち』NHK、1998年1月25日、BS日曜スペシャル、60分  キーワード:湾岸戦争、湾岸戦争症候群、帰還兵、第二世代

●ベトナム枯葉作戦についての文献

アメリカの化学戦争犯罪 : ベトナム戦争枯れ葉剤被害者の証言』北村元(梨の木舎、2005年)巻末にベトナム人原告が米国の法廷で提訴した訴状を収録。

母は枯葉剤を浴びた : ダイオキシンの傷あと新版中村梧郎(岩波現代文庫2005年)旧版は新潮文庫1983

『カラー版 ベトナム 戦争と平和』石川文洋(岩波新書2005年)

『座して障害者と語る : 藤本文朗退官記念論集』藤本文朗退官記念論集編集委員会編(文理閣2000年)「韓国の枯葉剤の被害の実態と運動」 韓官亨、「ベトナムのある結合双生児(ベト・ドク)の事例研究」 藤下亜香、「戦場と化学兵器」中村梧郎、「ベトナムの障害児教育師範大学開校と私たち」藤本文朗・服部育代、「ベトナム社会と障害児者教育・福祉」黒田学などを収録

『枯葉剤の村の子どもたち : ヴェトナム・パコ族の子どものくらし』北沢杏子文・高岩震写真(アーニ出版1998年)

『北に帰った枯葉剤 : ベトナム兵士の子どもたちの調査』ベトちゃんとドクちゃんの発達を願う会(三方町[(福井県]1996)国会図書館所蔵

『戦場の枯葉剤 : ベトナム・アメリカ・韓国』中村梧郎(岩波書店1995年)

『あの日、ベトナムに枯葉剤がふった : 戦争の傷あとを見つめつづけた真実の記録』大石芳野作・写真(くもん出版1992年)

『父と、子と : 枯葉剤<エージェント・オレンジ> 闘いの交叉路』エルモ・ヅムウォルトII、エルモ・ヅムウォルトIII、佐治弓子・土屋信子共訳(みらいみらい社1990年、星雲社発売)

『枯葉剤を中心とした生物兵器の現代』常石敬一、神奈川大学19881989 文部省科学研究費補助金研究成果報告書研究種目  一般研究(C) 国会図書館所蔵

『枯れ葉作戦の傷跡』轡田隆史(朝日文庫1988年)旧版は『ベトナム枯れ葉作戦の傷跡』(すずさわ書店1982)

『ベトナム戦争におけるエージェント・オレンジ : 歴史と影響』レ・カオ・ダイ、尾崎望監訳(文理閣2004年)ベトナムの医学者の著書。英題はAgent orange in the Viet Nam War

『アメリカの政治と科学 : ゆがめられる「真実」』マイケル・ガフ編菅原努監訳(昭和堂2007年)所収の「エージェント・オレンジとダイオキシンの政治化された科学」マイケル・ガフ著 ; 三枝新訳 これは米国政府サイドの学者の本で、枯葉剤の被害は誇張されている(たいしたことはない)と主張している。

●ベトナム枯葉作戦についてのウェブサイト

日本ベトナム友好協会 http://www2.odn.ne.jp/vnpage/

IFCC国際友好文化センター http://ifcc.jp/

    JVPF日本ベトナム平和友好連絡会議 http://jvpf.org/

「枯葉剤爆弾被害児童支援活動」の説明を以下に引用する。

近年、日本とベトナムとの関係は、特に経済分野での往来を通じて極めて緊密に

なっています。また、この数年間に多くの日本企業がベトナムに進出し、各界の

関心を高めています。しかし、そうした躍進する姿の一方、ベトナム戦争の深刻

な後遺症にはあまり目が向けられていないのが現状です。

 1960代後半にアメリカ軍によって使用された化学兵器である「枯れ葉剤」による子どもたちへの影響は今も拡大しており、各国のボランティアグループも援助の手を差し伸べはじめています。特に両親が被災した子どもへの後遺障害、遺伝子障害など子孫への影響は予測不可能なほどです。日本でも知られている「ベトちゃん、ドクちゃん」の事例はほんの氷山の一角です。

 1960年後半から1970年代はじめのベトナム戦争中、猛毒で発癌性の強いダイオキシンが大量に含まれる“枯れ葉剤”の投下された量は7500万リットル、その影響範囲は南ベトナムの4分の1に当たる2万3360平方キロと言われています。その影響で障害をもった新生児の数は1995年推定でも5万人に達したと言われています。現在、第3世代、第4世代への影響も報道されています。  以上引用

こぶた基金(サイトはない)などの紹介

http://www.southwave.co.jp/swave/8_cover/2002/cover0204.htm

http://www.jca.apc.org/beheiren/214VietnamuKarehazaiVideo.htm

http://www.h3.dion.ne.jp/~kawatimm/doa5.htm

枯葉作戦とは何だったのか(AALA副理事長 鈴木 頌)

http://ha6.seikyou.ne.jp/home/AALA-HOKKAIDO/kareha.htm

枯葉剤(ウィキペディア)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%AF%E8%91%89%E5%89%A4

Spraying of Agent orange by US Army in Vietnam and its consequences  André Bouny 12th April 2006

STOP UNITED STATES OF AGGRESSIOSN

http://www.stopusa.be/scripts/texte.php?section=CL&langue=3&id=24471

●ベトナム枯葉作戦についての映像(授業使用の映像以外のもの)

『ベトナム戦争 枯葉剤被害 いまだ癒されない傷あと』こぶた基金、2001年、30分  英語原題は、The Vietnam WarAn Unrecoverable Wound、ベトナム赤十字社、枯葉剤被害者基金  キーワード:ベトナム枯葉作戦、ダイオキシン汚染、第三世代への影響

 『ベトナムに生まれて 枯葉剤を浴びた村から』NHK、BS、1999年2月14日、59分  キーワード:ベトナム枯葉作戦、ダイオキシン汚染、フエ医科大学のニャン医師、第三世代への影響

『歪められた遺伝子 枯れ葉剤被害児童の記録』国際友好文化センター(IFCC)・日本ベトナム平和友好連絡会議(JVPF)、57分、2003年  キーワード:ベトナム枯葉作戦、ダイオキシン、遺伝子障害、障害児

●「米国の戦争」についての文献と映像

アメリカの世界戦略戦争はどう利用されるのか』菅英輝.(中公新書2008年)

アメリカの国家犯罪全書ウィリアム・ブルム、益岡賢訳(作品社2003年)原題Rogue state(ならず者国家)

『覇権か、生存か : アメリカの世界戦略と人類の未来』ノーム・チョムスキー、鈴木主税訳(集英社新書2004年)

『テロリズムと戦争』ハワード・ジン、田中利幸訳(大月書店2003年)

戦争中毒 : アメリカが軍国主義を脱け出せない本当の理由ジョエル・アンドレアス、きくちゆみ監訳、グローバルピースキャンペーン有志訳(合同出版2002年)原題Addicted to war

血と油 : アメリカの石油獲得戦争』マイケル・T.クレア、柴田裕之訳(NHK出版2004

なぜアメリカはこんなに戦争をするのかC.ダグラス・ラミス(晶文社2003年)

『なぜアメリカ大統領は戦争をしたがるのか?』越智道雄(アスキー新書2008年)

『アメリカ 過去と現在の間』古矢旬(岩波新書2004年)

『ルポ 貧困大国アメリカ』堤未果(岩波新書2008年)貧困層が戦場へ行かされる米国

『テロリストは誰? 第三世界に対する戦争 僕がアメリカの外交政策について学んだこと』グローバルピースキャンペーン(きくちゆみ)、VHSビデオ、2004年、120

フランク・ドリル編、What I have Learned about U.S. Foreign PolicyThe War against the Third WorldFrank Dorrel

1.マーティン・ルーサー・キングJr.牧師(2分45秒)

2.元CIA高官ジョン・ストックウェル(6分18秒)

3.影の政府:憲法の危機(2141秒)CIA

4.隠ぺい工作 イラン・コントラ事件の裏で(2046秒)

5.スクール・オブ・アメリカズ 暗殺者学校(1331秒)SOA/WHINSEC

6.経済制裁による大量虐殺(1240秒)イラク経済制裁、オルブライト発言

7.東チモールの大虐殺(5分13秒)

8.嘘まみれのパナマ戦争(2205秒)

9.ラムゼー・クラーク 元米国司法長官(7分46秒)

10.       ブライアン・ウィルソンの癒し(8分37秒)

映像解説パンフレット『テロリストは誰? ガイドブック』グローバルピースキャンペーン編(合同出版発売、2004年)完全シナリオ収録。112頁。

グローバルピースキャンペーンhttp://globalpeace.jp/

キーワード:CIAの秘密工作、イラン・コントラ事件、パナマ侵攻、スクール・オブ・アメリカズ(暗殺者学校)、経済制裁、東チモール、ラムゼー・クラークと民衆法廷

●イラク戦争の死者-最近の私の原稿「環境・平和・暴力」の一部を引用する。

  2003年に米国が開始したイラク戦争は、大量破壊兵器の疑惑、アルカイダとのつながり、イラクの民主化という「開戦理由」がすべて破綻して、泥沼状態になっている。古代文明の遺産もツワイサ核施設も略奪が放置されるなかで「石油省」だけは米軍が厳重に警備しているエピソードに象徴されるように、「石油のための戦争」という側面が重要であることは否定できないであろう。石油支配、ドル防衛(フセインが企図した石油取引のユーロ決済の阻止)、軍需産業等の利権などが、イラク戦争の隠された動機であると思われる。イラク駐留米軍の死者は2008年3月に4000人を越えたが、イラク人死者は2006年ですでに65万人ほどであると米国・イラク共同研究によって推計されている(註18)。劣化ウラン兵器の使用は湾岸戦争を上回る約二千トンであると推測される。

18 Gilbert Burnham et al.Mortality after the 2003 invasion of Iraqa crosssectional cluster sample surveyThe Lancetvol368pp142114282006 『ランセット』は世界で最も権威ある医学雑誌(英国)

Iraq Body Count http://www.iraqbodycount.org/ イラク戦争民間人(非戦闘員)死者数の報道による推計

●受講生の感想抜粋

「今日のビデオに強く影響されて、アンチアメリカになってしまいましたが、先生もやはりアンチアメリカですか?」男子 

私は、米国政府・米国財界に対するアンチですが、米国に対するアンチではありません。

「アメリカがわざと不発弾[クラスター爆弾の]を落としているという事実に驚いた。日本も援助している[自衛隊がクラスター爆弾を保有している]のにはショックだった」女子

「アメリカが湾岸諸国を石油目的でしか扱っていないことは許されるべきではないと思う。イラクでは死者が日々増え続けているが、一刻も早く広島や長崎のように平和に復興してくれることを願うばかりである」男子

「ビデオを見て今まで紙面でしか見たことがなかった戦争の実状をリアルな映像で知ることができました。また中東の戦争がどのように起きたかを知り、結局はアメリカの利益のために弱い者が犠牲になっているんだと思いました。また、全く罪のない子ども、それから戦争が終わってから生まれた子どもまで被害が出ており、戦争の恐ろしさを実感しました。戦争は本当にこの世からなくなるべきだし、日本国憲法の第9条はなにがあっても変更することなく世界で唯一の被爆国として残しておくべきだと思いました。このような現実を世界中の人、特にお金持ちの人や政府の人など社会的強者の人が見て、一日でもはやく平和への道を切り開いてほしいです」女子

「今日のDVDを見て衝撃を受けました。いま私たちが暮らす日本はとても平穏で、いまこの瞬間も世界のどこかで戦争が起こっていると思うといたたまれなくなります。なぜ石油や油田のために命まで賭けなければならないのか。いま自分が平和すぎて現実というにはあまりにも残酷だ。もっと私にできることはないのか。何もできないことを残念に思う。除草剤の影響での身体障害の状況などをアメリカは知っているのか? 人は利益のためにやりすぎた行動をしている」女子

「戦争は終わっても被害は増え続けるし、民族紛争も絶えない。アメリカの油田を確保したいという身勝手な政策で戦争を起こした責任を非難したいと思った。戦争の実際の様子を生々しい映像で見たのは初めてだった。この映像を見て、憲法9条を改めようとする考えが浮かぶことが不思議に思った。ベトナム戦争で使用された枯葉剤は三世代も影響が出ているので今後も被害が出るだろう。アメリカ[政府]はどう償うつもりだろうか」男子

「戦争を始める命令をするやつは、死ぬ危険がなくてのうのうと生きているので、戦争をすることを決定したやつをまず戦場に行かせればいいと思った」男子

「初めて劣化ウラン弾という恐ろしい兵器について知りました。またその製造に日本のもの[日本向けウラン濃縮の廃棄物]が関わっていることに衝撃を受けました。イラク戦争はテレビや新聞などで、どこでテロがあったかや何人の人が負傷[死傷]したなど表面的にしか報道されておらず、あまりにも知らないことが多いと思いました。ベトナム戦争で使用された枯葉剤もとても恐ろしいものだと思います。これらの兵器についてはおそらく知らない人が多いと思います。なので、まず知ることが重要だと思いました」女子

「イラク戦争の映像がとても衝撃的だった。目をそらしたくなる場面もあったけど、現実を知らねばならないと思ってずっと見ていました。私はイラク戦争を新聞やテレビでしか見ていなかったので、こんなにひどい状況だとは知らなかった。まるで、原爆資料館の映像を見ているようだった。イラクやベトナムで起こったことそのものを全く知ることはできなくても、私たちは被爆地の長崎に生まれ長崎にいるのだから、私たちだからこそ伝えられることを発信し続ける必要があると強く感じた」女子

「今日の授業で戦争の悲惨さを改めて思い知らされた。劣化ウラン弾による被曝、クラスター爆弾の不発弾、フセインによる毒ガス[クルド人に対するハラブジャ事件=イラクのヒロシマ]など、兵器の恐ろしさを強く感じた。アメリカの利益のために罪のない人々の人生を踏みにじったような行為は絶対に許されないと思う。ベトナム戦争における枯葉剤も直接浴びていないのに遺伝子変化によって奇形児が生まれたり障害が出る人がいて、彼らの辛さや悲しみを思うと涙が出た」女子

「今日の講義中のビデオを見て心が痛んだ。自分の知らないところでこんなに残酷なことが起こっているなんて知らなかった。何の罪もない人たちがこんなに簡単に殺されていいのだろうか。いいわけがない。アメリカが行った残酷な兵器の使用によって生じた被害に対して何の補償もしないなんて本当に驚かされた。また何より日本の自衛隊がクラスター爆弾を製造し、保有していることには一番驚かされた。あんなに残酷な兵器がいまだに製造、使用を禁止に至っていないことはとても悲しい現実だ。いまの憲法を変えようとする動きがあるとあったが、信じられないことだ。憲法を変えてまで戦争の手伝いをする必要なんて全くないはずだ。枯葉剤の被害で40人に1人という高い割合で出産異常が起こっているなんて本当に残酷だ。人は誰しも平和に生きる権利があるのではないか。今日の講義で人の命について心に染みることが多くあった」男子

「私たちは戦争を実際に体験したことがない。そんな私にとって今日のイラクの映像は想像をはるかに越えたものであり、とても衝撃的であった。特にその犠牲になるのが何の罪もない子どもたちであるということがとても悲しかった。自国の利益しか考えずに無責任な態度をとるアメリカにとても腹が立った。目を覆いたくなるような映像の連続で戦争ほど恐ろしく悲しいものはないと強く思った。戦争反対を訴えていかなければならないと思った」女子

「イラク戦争は終わったもののように思っていたので、大きな間違いだとわかった。子どもばかりが犠牲になっていてとても可哀想だった。戦争の顛末を見るとまるでアメリカはボードゲームをやっているようだった。イラクの人々の悲しそうな顔が印象に残ったけれど、中に出てきたアメリカ兵はとても怯えているように見えた。人を殺し、殺させているのも罪だと思った。ベトナム戦争については、農薬とは言っているけれどあれだけ被害をもたらすものなら化学兵器と言っても過言ではないだろう」女子

「今日は戦争について考えさせられた。毎日のようにテレビで「イラクで空爆、死亡者50人……」など流れていて、自分もまたか、と半分慣れて深く考えたことがなかったが、この映像を見て、数字の裏にはこんなにも罪のない犠牲者がいるということを知り、憤りと悲しみをおぼえた。アメリカは一体どれだけ人を殺せば気がすむのだろうか。国民もデモでも起こして怒るべきである。日本も絶対加勢してはならない。」女子

「毎回いろいろなテーマのビデオを見ますが、今回が一番つらかったです。自国の利益のために他国の人々の幸せを奪うのが外交なんだろうかと疑問に思います。日本人は平和ボケしているとよく言われますが、私たちはせめてこういう事実を直視することが第一歩だと思います」女子

「このDVDを見て本気で言葉を失いました。自然と涙が止まらなくなりました。怒りと悲しみでいっぱいです。今までイラク[フセイン]ばかりが悪いと思っていましたが、石油ほしさに戦争中毒になっているアメリカがいまでは本当に憎いです。自分の手は汚さずに、シナリオ通りに人を殺す。あまりに汚いやり方です。戦争で傷ついた人々、その家族の深い悲しみを目の当たりにした人間であれば、戦争なんてできないはずです。戦争に手を染める国の指導者たちに一度現場に行かせてやりたいです。戦争のありさまを目にしてもなお戦争したいというのなら、彼らはも人の心を失っていると思います」女子

「今回はベトナム戦争とイラク戦争のビデオを見ましたが、最近ではあんなに恐ろしい兵器が普通に使われているということにびっくりしました。そしてその兵器を日本も保持しているという事実にあきれてしまいました。日本は唯一の被爆国ということでもっと世界に平和をアピールする立場なのにこれでは説得力がないと感じました」女子

戸田「劣化ウラン兵器

戸田「ベトナム枯葉作戦

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