農業−遺伝子組み換え作物・アイガモ農法(環境社会学Tでの映像使用例)

2008年5月29日 2008年6月10日改訂

●文章作成中●

★『不安な遺伝子操作食品』日本子孫基金、1997年、27

キーワード:遺伝子組み換え(GM)作物、除草剤抵抗性、害虫抵抗性、農薬使用量、農薬残留量、モンサント社  備考:戸田も出演。「日本子孫基金」は「食品と暮らしの安全基金」に改称。

この映像についての問い合わせ先

食品と暮らしの安全基金 http://tabemono.info/

映像についての補足説明

1.神山美智子弁護士が安全性評価指針は強制力がないと述べていたが、1999年に法的に義務化された。

2.除草剤耐性作物について「農薬の使用量は減りますが残留量は増えます」と言っているが、ベンブルック博士らによって、残留量だけでなく使用量も増える場合のあることがわかった。

3.GM作物の作付面積はもちろん1997年当時よりずっと増えている。米国、カナダ、一部の中南米諸国、中国など。日本では試験栽培のみで、GMの商業的な栽培はない。しかし日本は大量のGM作物を米国などから輸入しているので「GMをたくさん食べるのは日本人と家畜だ」という人もいる。欧州ではGMの作付は少ない。米国のGM推進派は「欧州人は感情的だ[非科学的だ]」と言う。

4.私は遺伝子組み換え技術そのものは否定しない。たとえばリコンビナント医薬品は必要だと思う(ヒト・インスリンなど)。GM作物に対しても原理的な反対はしない。将来食糧問題の解決に有益なGM作物が登場するかもしれない。現在主流の除草剤抵抗性作物、害虫抵抗性作物には大きな疑問があると考える。

配布プリント 河田昌東「遺伝子組み換え……理想にほど遠い現実」『消費者リポート』200010月7日(日本消費者連盟)/河田昌東「遺伝子組み換えの実態ベンブルック・レポート第2報 やっぱり、収穫量は落ち 農薬使用量は増えていた」『消費者リポート』2001年6月27

☆前回配布のプリントで話題(コロンビアの麻薬対策で健康被害)になったのと同じ農薬が遺伝子組み換えの除草剤耐性作物で使われていることに注意深い人は気づいたと思う。米モンサント社のラウンドアップ(成分はグリホサート)である。

前回プリント 石田博士「コカ撲滅除草剤 被害飛散 コロンビア散布、エクアドルSOS 「ベトナムの悲劇」警告も」『朝日新聞』2007年2月4日 

遺伝子組み換え作物  5月26日(月曜クラス)/6月3日(火曜クラス)

★『アイガモ家族の夏』NHKにんげんドキュメント、2002年9月19日、43

キーワード:有機農業、アイガモ農法、古野隆雄

この映像についての参考ウェブサイト

合鴨家族古野農場(古野隆雄) http://blog.aigamokazoku.com/

全国合鴨水稲会 http://carrot.memenet.or.jp/aigamo/

配布プリント 『合鴨ばんざい : アイガモ水稲同時作の実際』古野隆雄(農山漁村文化協会1992年)1421

 

アイガモ農法  6月2日(月曜クラス)/6月●日(火曜クラス)

 

●GM推進派の文献

 

『遺伝子組換え食品』川口啓明,菊地昌子(文春新書2001年)

『食品はどこまで安全か : 健康食品,遺伝子組換え食品,環境ホルモン・ダイオキシン汚染がわかる本』川口啓明(旬報社2000年)

『遺伝子組換え食品 : あなたはどう思いますか?』吉松嘉代、日本薬学会編(丸善2001年)

『遺伝子組換え食品 : 新しい食材の科学』大澤勝次,田中宥司責任編集、日本農芸化学会編(学会出版センター2000年)

『遺伝子組換え食品 : その不安と誤解』グレゴリー・E.ペンス、山口彦之訳(青土社2003年)

「人類の食卓を救うのはGM革命?」マック・マーゴリス『NEWSWEEK日本版』2008年5月21日号

 

●GM反対派・批判派の文献

 

『遺伝子組換え食品の検証』藤原邦達(新評論1997年)

『検証遺伝子組み換え食品』藤原邦達編(家の光協会2000年)

『遺伝子組み換え作物はいらない! : 広がるGMOフリーゾーン』天笠啓祐(家の光協会2006年)

『生命特許は許されるか』天笠啓祐編(緑風出版2003年)

『遺伝子組み換え食品の表示と規制』天笠啓祐編(コモンズ2003年)

『遺伝子組み換え. イネ編』天笠啓祐(現代書館2000年)

『遺伝子組み換え食品 増補改訂』天笠啓祐(緑風出版2000年)初版1996

『知っておきたい遺伝子組み換え食品の知識』天笠啓祐(日本実業出版社2000年)

『遺伝子組み換えとクローン技術100の疑問』天笠啓祐(東洋経済新報社2000年)

『フランケンシュタイン食品がやって来た! : 遺伝子組み替え食品Q&A』天笠啓祐、日本消費者連盟企画・編集(風媒社2000年)

『危ない生命操作食品』天笠啓祐(コモンズ2000年)

『遺伝子組み替え動物』天笠啓祐(現代書館1999年)

『遺伝子組み換え. 食物編』天笠啓祐(現代書館1997年)

『遺伝子組み換え食品がやってきた』天笠啓祐監修(芽ばえ社1997年)

『遺伝子組み換え企業の脅威 : モンサント・ファイル』『エコロジスト』誌編集部編、アントニーF.F.ボーイズ,安田節子監訳、日本消費者連盟訳(緑風出版1999年)

『生命操作事典』生命操作事典編集委員会編(緑風出版1998)

『遺伝子組み換え食品の危険性』緑風出版編集部編(緑風出版1997)

遺伝子組み換え食品Q&A安田節子(岩波ブックレット1998年)

『おしよせる遺伝子組み換え食品 : 食卓の安全を守るには』安田節子,塚平広志(かもがわブックレット1998年)

『食べてはいけない遺伝子組み換え食品』安田節子(徳間書店1999年)

『遺伝子組み換え作物が世界を支配する』ビル・ランブレクト、柴田譲治訳(日本教文社2004年)

『遺伝子組み換え作物と環境への危機』ジェーン・リスラー,マーガレット・メロン、阿部利徳,小笠原宣好,保木本利行訳(合同出版1999年)原題The ecological risks of engineered crops

『遺伝子戦争 世界の食糧を脅かしているのは誰か』クリスティン・ドウキンス、浜田徹訳(新評論、2006年)

『遺伝子組み換え作物に未来はあるか』柳下登監修、柳下登,塚平広志,杉田史朗(本の泉社1999年)

『リポートアメリカの遺伝子組み換え作物』食糧の生産と消費を結ぶ研究会編(家の光協会1999年)

『不安なバイオ食品 改訂新版』渡辺雄二(技術と人間1997年)初版1990

『なぜ遺伝子組換え作物は開発されたか』大塚善樹(明石書店1999年)環境社会学の博士論文

『遺伝子組換え作物 : 大論争・何が問題なのか』大塚善樹(明石書店2001年)

河田昌東「遺伝子組み換え作物と広がる遺伝子汚染」日本有機農業学会編『有機農業研究年報2 有機農業 政策形成と教育の課題』(コモンズ2002年)

 

●その他の文献

『遺伝子組み換え作物に対する現職家庭科教諭の意識調査と教材化に関する研究』前田,英雄,鳴門教育大学文部省科学研究費補助金研究成果報告書基盤研究(C) 2000-2001 国会図書館所蔵

 

●GM推進派のウェブサイト

 

日本モンサント http://www.monsanto.co.jp/

 

農林水産技術会議(農林水産省) http://www.s.affrc.go.jp/

  遺伝子組み換え農作物についての情報サイト http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/index.htm

 

●GM反対派のウェブサイト

 

遺伝子組み換え情報室(河田昌東ほか) http://www2.odn.ne.jp/~cdu37690/

 

遺伝子組み換え食品いらない http://www.gmo-iranai.org/

 

グリーンピース・ジャパン http://www.greenpeace.or.jp/

 グリーンピースの活動→遺伝子組み換え問題

『トゥルーフード・ガイド』

『モンサント社7つの大罪(PDFファイル)』

http://greenpeace.or.jp/docs/gm/monsanto.pdf

『世界の遺伝子組み換え汚染レポート2007』英語版

 

市民バイオテクノロジー情報室(天笠啓祐ほか)http://www5d.biglobe.ne.jp/~cbic/

 

日本消費者連盟 http://www.nishoren.org/

 

●GMについてのその他のサイト

 

日本種苗協会 組換え植物・組換え食品関連サイト集 http://www.jasta.or.jp/topic/topic202.html

 

●組み換えDNA技術以外のバイオテクノロジー(バイテク)について

 

リコンビナント医薬品のヒト・インスリンはヒトのインスリン遺伝子を大腸菌や酵母に導入して、これらの微生物に人体成分(インスリン)をつくらせる。インスリンを持っているのは脊椎動物のみで、原核生物(大腸菌)や菌類(酵母)は本来これを持たない。実験ではホタルの遺伝子を植物に組み込んで「光る植物」をつくることもできる。昭和電工事件で問題となったトリプトファンも、モンサント社の除草剤耐性作物や害虫抵抗性作物も、組み換えDNA技術を利用したものである。代表的なバイオテクノロジー(生物工学技術)に次のようなものがある。

 

A.組み換えDNA技術 リコンビナント医薬品、遺伝子組み換え作物など

 

B.細胞融合 雑種細胞をつくる。1970年代にトマトとジャガイモの雑種細胞をつくり、植物の成体にしたことが話題になった(ポマト)。ヒトとネズミの雑種細胞をつくるとヒトの染色体が脱落していくという。ヒトのガン細胞とヒトの抗体産生細胞を細胞融合させて「モノクローナル抗体」をつくることは1980年代に実用化された。自然界でいえば卵子と精子の受精も細胞融合である。

 

C.染色体操作 三倍体の魚などが話題となっている。(私たち人間も含め、正常な脊椎動物はみな二倍体である。もちろん精子と卵子は減数分裂の結果として一倍体である。悪魔的な科学者が人体実験で「三倍体のヒト」をつくれるだろうか? 私にはわからない。)

 

D.クローン動物 植物のクローン(挿し木)は昔からあるが、カエルのクローンは1970年代から、ほ乳類の「体細胞クローン」は1990年代から可能となった。英国で1997年に作出された「クローン羊」は有名。クローン人間の作成は禁止されている。クローン牛の子どもは死亡率が高いが、その理由は十分に解明されていない。クローン牛の肉の安全性が食品安全委員会で審議された。自然界でいえば、一卵性双生児はクローンである。

 

E.キメラ動物 細胞融合と違って個々の細胞は正常であるが、複数の系統の細胞が混じった動物(たとえばヒツジとヤギのキメラ)を作出できる。

 

Cの具体例として、宮城県のウェブサイトから、「全雌三倍体イワナ」についてのニュースの全文(写真、グラフを省略)を次に引用する。

http://www.pref.miyagi.jp/naisuisi/iwana3n/iwana3n.htm

 

平成15年2月5日更新 /産業経済部 / 内水面水産試験場

 

「全雌三倍体イワナ」の養殖が可能となりました!

宮城県の内水面養殖業の中でイワナの生産量はギンザケ,ニジマスに次いで大きいです。その大部分は100g程のサイズで塩焼きや甘露煮等に利用されています。でも実は、イワナは刺身にすると大変美味しい魚なのです。

 山奥のホテルや料亭などでも夕食にはよくマグロの刺身が出てきますが、せっかく山に来たのだから、何かその場所でしか食べられない料理があれば最高だ、ということで、イワナの刺身に期待が集まっています。

 ところが,イワナ(他の魚も同じですが)は成熟期になると成長が止まって卵に栄養を取られてしまうため肉質が悪くなり、刺身としては美味しくなくなる等の問題があります。そのため、刺身用の大型イワナを育てるためには長い期間が必要となり,時期も限定されてしまうので,ほとんど口にすることはできません。

 そんなわけで成熟しないイワナができれば,短い期間で大型イワナが作れ、一年中出荷することができるようになると注目されているのです。

 

イワナ三倍体の刺身 (写真省略)

 

  宮城県内水面水産試験場では,他のサケ科魚類でも成熟しないことが知られている全雌三倍体(全部の魚が遺伝的に雌で、染色体セットを3組持つ)の大量生産技術の開発を続けてきました。そして、全雌三倍体イワナが成熟することがないため、短期間で大型魚生産ができること、刺身用として年中出荷が可能となることが判りました。

  

 上の図は、イワナの通常魚(二倍体:2N)と三倍体(3N)雌の成長パターンを模式的に示したものです。(グラフ省略)

 イワナは秋に生まれ翌々年の秋に最初に成熟します。成熟するまでは二倍体も三倍体も成長は変わりませんが、成熟期になると二倍体は成長が止まってしまい、翌年の春まで体重は増えません。また、この時期は刺身として食べることはできません。

 それに対して三倍体は、成熟しないため、この間も成長を続けます。200g以上になれば、それ以降一年中刺身として利用できます。

  この「全雌三倍体イワナ」について平成1411月5日付けで水産庁長官より「三倍体魚等の水産生物の利用要領」に適合しているとの確認を受けました。今後はより多くの方に「刺身用大型イワナ」を食べて頂けるよう普及に努めていきます。

 

三倍体イワナ(三歳)(写真省略)

                                      

以上引用。

 

●最近の状況

 

1997年の映像は別に「古い」わけではない。基本的な構図は現在と変わらない。なお最近の状況は『遺伝子組み換え作物はいらない! : 広がるGMOフリーゾーン』天笠啓祐(家の光協会2006年)に詳しい。世界のGM作物の作付面積は1996年の170万ヘクタールから2005年の9000万ヘクタールに増えた。そのうち55%を米国が占める。国別作付面積の上位は、米国、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、中国、パラグアイ、インド、南アフリカ、ウルグアイ、オーストラリアである。欧州はスペインが僅少であるが、他はほとんどない。最近の映像はNHKBS1で2008614日(土)午後7時10分から9時まで放送予定の「モンサント社7つの大罪」(フランス作品の日本語版)である。「悪名高きモンサント社について、フランスのジャーナリスト、マリー=モニック・ロバン(Marie-Monique Robin)が、ラウンドアップや遺伝子組換大豆の危険性、いかにそれを政府・行政との癒着によって隠蔽してきたか、そしてPCBや枯れ葉剤製造という悪魔の歴史について、3年をかけて綿密に調査し、告発」しているそうだ。最近の本としてMarie-Monique RobinLe Monde selon Monsanto, La Decouverte 2008(フランス語)がある。

 

●有機農業についてのウェブサイト

日本有機農業学会 http://homepage.mac.com/yuki_gakkai/

日本有機農業研究会 http://www.joaa.net/

合鴨家族古野農場(古野隆雄) http://blog.aigamokazoku.com/

全国合鴨水稲会 http://carrot.memenet.or.jp/aigamo/

●有機農業についての文献

 

『有機農業の技術 : 土づくり・施肥・育種・病害虫対策 : 基礎講座』日本有機農業研究会編(農山漁村文化協会2007年)熊澤喜久雄、生井兵治ほか

『消費者のための有機農業講座』全3巻、日本有機農業研究会編(JICC出版局198182年)

『有機農業・みんなの疑問』舘野廣幸(筑波書房2007年)

『いのちと農の論理 : 地域に広がる有機農業』中島紀一編(コモンズ2006年)

『イタリア有機農業の魂は叫ぶ : 有機農業協同組合アルチェ・ネロからのメッセージ』ジーノ・ジロロモーニ目時能理子訳(家の光協会2005年)

『ナチス・ドイツの有機農業 : 「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」』藤原辰史(柏書房2005年)

『スローでたのしい有機農業コツの科学』西村和雄(七つ森書館2004年)

『有機農業の事典 新装版』天野慶之,高松修,多辺田政弘編(三省堂2004年)初版1985

『有機農業の思想と技術』高松修(コモンズ2001年)

『日本の有機農業 : 政策と法制度の課題』本城昇(農山漁村文化協会2004年)

『有機農業と消費者のくらし』白根節子(筑波書房2003年)

『有機農業大国キューバの風 : 生協の国際産直から見えてきたもの』首都圏コープ事業連合編(緑風出版2002年)

『有機農業が国を変えた : 小さなキューバの大きな実験』吉田太郎(コモンズ2002年)

『ハワードの有機農業』上下、アルバート・ハワード横井利直〔ほか〕共訳(農山漁村文化協会2002年)原題The soil and health. (3rd ed.)初版1987

『なぜ有機農業が必要になったのか : その背景と可能性 : 農民からの発信』渋沢武三(コープ出版2000年)

『有機農業の力』星寛治(創森社2000年)

『ミミズと土と有機農業 : 「地球の虫」のはたらき』中村好男(創森社1998年)

IFOAM(国際有機農業運動連盟)有機農業および食品加工の基礎基準およびコーヒー、ココア、茶に対するガイドライン、投入物の評価に対するガイドライン』IFOAM、日本有機農業研究会国際部,南田正児,鈴木敦訳(日本有機農業研究会1998年)

『有機農業の基本技術 : 安全な食生活のために』カトリーヌ・ドゥ・シルギューイ、中村英司訳(八坂書房1997年)原題L'agriculture biologique

『バイオダイナミック農業の創造 : アメリカ有機農業運動の挑戦』トゥラウガー・グロー,スティーヴン・マックファデン、兵庫県有機農業研究会訳(新泉社1996年)

『アジア型有機農業のすすめ : 記録と提言/国際有機農業運動連盟アジア会議』現代農業臨時増刊(農山漁村文化協会1994年)

『有機農業の可能性 : 暮らしをつくる、お米とアジアと自然から』本野一郎(新泉社1993年)

『有機農業農園の四季』大平博四(七つ森書館1993年)

『実践・有機農業読本』大平博四(健友館1988年)

『新編有機農業の農園 : 土作り・虫と出会う・消費者とのふれあい』大平博四(健友館1983年)

『ヨーロッパの有機農業』福士正博〔ほか(家の光協会1992年)

『アメリカの有機農業』中村耕三(家の光協会1992年)

『熊本型有機農業推進の手引き』(熊本県1993年)国会図書館所蔵

『熊本型有機農業推進計画書』(熊本県1991年)

『日本有機農業の旅 : 「産消提携」の現場を歩く』永松美希(ダイヤモンド社1992年)解説保田茂

『有機農業に賭ける』荷見武敬(日本経済評論社1991年)

『有機農業 : 農協の取り組み』荷見武敬〔ほか(家の光協会1988年)

『有機農業への道 : 土・食べもの・健康新訂版』荷見武敬,鈴木利徳(楽游書房1980年)初版1977

『有機農業 : 新しい「食と農」の運動』食糧問題国民会議編(亜紀書房1989年)

『日本の有機農業 : 運動の展開と経済的考察』保田茂(ダイヤモンド社1986年)

『日本農法と有機農業 : 農と工のエントロピー』内藤勝(高文堂出版社1985年)

『日本の有機農業運動』国民生活センター編(日本経済評論社1981年)

『有機農業革命 : 汚れなき土に播け』梁瀬義亮(ダイヤモンド社1975年)

『自然農法福岡正信の世界』福岡正信(春秋社2005年)

『「自然農法」わら一本の革命 新版』福岡正信(春秋社2004年)初版1983

『自然農法 : 緑の哲学の理論と実践』福岡正信(時事通信社1976年)

『自然に還る』福岡正信(春秋社1984年)

『合鴨ばんざい : アイガモ水稲同時作の実際』古野隆雄(農山漁村文化協会1992年)

『無限に拡がるアイガモ水稲同時作』古野隆雄(農山漁村文化協会1997年)

『アイガモの絵本』古野隆雄(農山漁村文化協会2005年)

『やさしい減農薬の話』中村修(北斗出版1989年)

『田んぼの忘れもの』宇根豊(葦書房1996年)

『有機農業 21世紀の課題と可能性』日本有機農業学会編(コモンズ2001年)

『有機農業 政策形成と教育の課題』日本有機農業学会編(コモンズ2002年)

「有機農業運動の展開と環境社会学の課題」桝潟俊子『環境社会学研究』1号、環境社会学会/新曜社1995

『有機農業運動の地域的展開』松村和則・青木辰司編(家の光協会1991年)環境社会学

『複合汚染』有吉佐和子(新潮文庫1979年)

 

●受講生の感想抜粋(遺伝子組み換え作物)

 

「見切り発車的な遺伝子組み換えは非常に危険だと思う。「より良いものをつくる」というより、ただ単に「だまして特許・専売でもうける」のが目的のようにしか見えない。毎週のように思うが、やはりこれも強者のエゴによる暴力ではないか。多くの戦争や環境問題は、この強者のエゴを黙認する(支援する?)ゆがんだ民主主義が根底にあるように思う。しかし人からエゴを取り除くことはできない。エゴによる暴力を食い止めるには、平和・安全維持活動ももうかるようにしてエゴ同士で相殺させるしかないのだろうか」男子

 

「いくら人体に影響がないと言っていても、今まで着色料なんかも含めて、無害だと言っていたのに途中から害が確認されて使用中止になったりすることは珍しくないのであまり信用できない。このビデオでは主にアメリカしか映されていなかったけど、ヨーロッパや日本ではしていないのでしょうか。またしているとしたらどのくらいの規模でされていて、逆に遺伝し組み替えしていないものは全体のどのくらいを占めているのでしょうか。分からないことだらけだし、加工品にされたら一層表示なしだと見分けがつかないので不安は大きいと思います」女子

 

コメント GM作物の作付面積はもちろん1997年当時よりずっと増えている。北米では大豆、菜種などはGMが半分以上を占めるようだ。GMは主に米国、カナダ、一部の中南米諸国、中国などで栽培。日本では試験栽培のみで、GMの商業的な栽培はない。欧州ではGMの作付は少ない。

 

「私たちがふだん食べている食品にも遺伝子組み換えのものが知らず知らずに入ってきているというのはとても危険なことだと思った。自然界にないものを人間が勝手に作り出してしまうのは、掟やぶりだと思う。結局危険にさらされるのは私たち人間なのに、どうして目先の利益しか考えられないのだろう」女子

 

「遺伝子組み換えというと、染色体の○倍体など、果実を大きくしたり、また実る量を増やしたりするものだと思っていたので、他の生物の遺伝子を組み込んでいると知って驚きました。害虫や除草剤に強い作物が人体にどういう影響を与えるのかわからないのに「とりあえずやってみて、ダメだったら規制しよう」という姿勢の法制度には、何かあってからでは遅いだろうと思いました。よくわからないものを技術だけ利用するのには、原発同様多大なリスクがつきまとうものだと改めて感じました」女子

 

コメント 三倍体魚などの染色体操作については前の頁に資料を追加した。

 

「最近スーパーに行くと「遺伝子組み換え食品」という表示をよく見るようになった。しかし、私は今までそれがなぜだめなのかわからなかった。今日そのことについて勉強して、とても恐いものなんだなあと思いました。毎日食事するので安全な食品がいいと思います」女子

 

「遺伝子組み換え作物は宗教的にもあまりよくないということを聞いたことがありました。また、作物自体に毒素が残留していることは知らなかったです。そのような作物がすでに輸入されており、私たちが好んで食べるようなお菓子なので、少しこわいなと感じました。結局残留したりするなら遺伝子組み換えも除草剤をまくのも変わりはないのでは?と思いました。植物は効率が良いのも大事だけど、遺伝子組み換えも除草剤も使わず、自然のままに育てるのが一番だと思います」女子

 

「害虫抵抗性のジャガイモや除草剤耐性のトウモロコシなど植物が育つのを妨害する虫や雑草に対する対策には感心した。しかし、それにもまた新たな問題が出てきており、何も問題が起こらないようにするのはなかなか困難であると思った」女子

 

●受講生の感想抜粋(アイガモ農法)

 

「私の祖父は兼業農家で田んぼを作っています。田んぼに魚を放しています。でも魚は鳥に食べられやすいので、その点アイガモは大丈夫だと思いました。農薬を使わずに稲作をするのは健康にもいいし、良いことばかりに思うけど、その分本当に大変だと思いました。改めて自然の循環サイクルはすごいと感じました」女子

 

「私の実家の近所の人もアイガモ農法をやっています。アイガモを飼うことで環境にもやさしいし、食物連鎖の大切さもわかり、まさに今、私たちが忘れかけているものを教えてくれるものだと感じました。今、私たちは肉などを食べるとき、加工されたものしか見ていないので、食べ残しをしたり、余ったら捨てたりできるのだと思います。食品の値段が高くなり、食糧危機の時代が来ると言われている今こそ「食べる」ということの根本を見直していかなければならないと思いました」女子

 

「除草剤や農薬[殺虫剤]を使わずに農業できるということは前から知っていたけど、やはりアイガモ放飼もこれはこれで色々な苦労があるということを改めて知りました。ヒナに水の飲み方を一羽ずつ教えたり、しょっちゅう見回りに行ったり、アイガモの体調にも気を使ったりと、様々なことを考えながらしていかないといけないので、やっぱり大変だなと思ったのと、家族全員でそれに携わっているのですごいと思いました。薬に頼らない分苦労もあるけど、人や環境への影響を考えると、こういった農家が増えてほしいと強く思いました」女子

 

「アイガモを使った米作りは遺伝子組み換えをしたり、除草剤を使ったりした米よりも害がほとんどなくていい。これを確立するためには大変だったろうけど、自然の食物連鎖をたくさん活用していて無駄がなかった。今、このアイガモを使った農業はどれくらい普及しているのですか? 私も体験してみたいと思った」女子

 

「アイガモ農法はよく耳にするが、こんなにも難しいものだとは思わなかった。稲の管理だけでなく、アイガモの管理もしなければならない。有機農業は環境にも優しく、人にも害がないのでとても良いことだが、成功させるためには多くの苦労が伴うことを知った」女子

 

「私は最初、アイガモを肉にして食べると聞いてひどいと思ったが、自然の営みを考えると当たり前のことであることに気づいた。ただ環境を守ることだけを考えるのではなくて、自然と人間との関わり方に目を向けることこそが、これからの社会に必要であると思った」女子

 

「私の実家の近くでもアイガモ農法が行われていて、私も少し体験したことがあったので、今日の話題はとても身近に感じた。アイガモ農法は自然のサイクルにのっとって行われていて、とても素晴らしいやり方だと思った。ビデオの中で出てきた明日香ちゃんが命のサイクルについて学び、自分の中で受け止めていく過程で、私自身、他の命の大切さや、他の命に支えられて今、自分が生きているということを再認識できた。」女子

 

「アイガモ農法というのはただ単に除草剤を使わなくていいというだけではなく、害虫も食べてくれて、糞は栄養になり、水かきは土を豊かにしてくれるというたくさん利益の生まれる合理的な農業ということを初めて知りました。しかも大きくなったカモは食べ、死んだカモは土の肥料にするという徹底ぶり。最初はかわいそうだと思ったけど、命のことを真剣に考えているのだと感じました」女子

 

「アイガモ農法は小学生の時に習ったので知っていたけれど、野犬対策など、それによって別の課題もでてきたりと思ったより大変なんだなと思った。また、稲作以外にも活用できることは知らなかった。農法自体はとてもすばらしいものだと思う。他に何か問題や課題はないのか、少し気になるけれど、全国に広めることができるなら、(地域によらずできる農法なら)とても画期的だと思った」女子 コメント 配布プリントにあるようにアイガモ農法は北海道から沖縄まで、また韓国など各地で行われている。

 

「無農薬で人にも自然にも優しく、米もアイガモも一緒に育つとてもいい農業だと思いました。海外に本が出版されていたり、オーストラリアからアイガモ農法を学ぶために研修生が来たりしていて、すごい人だと思いました。自然を相手にするため、いろんな問題もおきていて大変さを知りました。死んでしまってから肥料になったり、大きくなって肉として売られるのはかわいそうだと感じるけど、実際私たちは食べないと生きていけないし、命を学ぶこともできるし、この農法がもっと広がっていけばいいと思った」女子

 

The Power of DuckIntegrated Rice and Duck FarmTakao FurunoTagari Publications2000

価格 1843ポンド(英)、2269ユーロ(EU)、3545ドル(米)

推薦Mae-Wan Ho, Open University, Milton Keyes, U.K. 英国の生物学者Bill Mollison有機農業家

「有機農業は農家の方の種々な工夫や努力によって成り立っていることが改めて感じられた。ビデオの中で父が娘に「食べるということは生きているものを食べることなんだよ。かわいそうと思うのは仕方ないけれど、命のふれあいなんだよ。命が見えてきたんだね」と言葉をかけていた場面が印象的だった。命の恵みを肌で感じることができるという点で、有機農業は素敵だと思った」女子

 

「収穫量を増やすために農薬を使うと、それを食べる私たちの体によくない影響をおよぼします。だけど、アイガモを使うことで、とても安全で効率がよい栽培ができるんだなと思った。また今回の映像で農業を家族全員で行うことで、家族のきずなが深まり、また、命の大切さを学べることがわかり、とてもいいなと思った。アイガモを使うことで除草剤も殺虫剤も化学肥料も使わないでよいので、すばらしい。もっと広まればいいと思った。今回の映像はとてもおもしろくて、かなり見入ってしまった」女子

 

「古野さんが当然のことのように言う多くの言葉がとても心に響いた。命のサイクルにならって農業をすることこそ、真の農業なのではないだろうか。また、失敗しても失敗してもあきらめずに挑戦していたことや、自然と身をもって命とは何かを学んでいた、学ぼうとしていた姿に感動した」女子

 

「僕の父の里では、ガチョウを使った農業をしているので、少し違うけど、今日のビデオは参考になりました。アイガモ農法にも雨よけや電気柵など様々な苦労があることがわかりました」男子

 

「私は桂川町出身で古野さんちのみずほちゃんと友達です。小学校の時とか田んぼに行かせてもらったり、お話を聞かせてもらってました。その時は、古野さんのすごさがわからんかったんですが、今ならわかります。本当にすごいですね。アイガモ農法は本当に理想的な方法だと思います。しかも作りっぱなしじゃなくて、ちゃんと休ませる期間を作っているのはさすがですよね。利益目的で突っ走ってるんじゃないなーと感じました。桂川は本当に見たとおり田舎もいいとこです。田んぼばっかです……。でもアイガモをやっているところは少ないと思います。講習会とかしてるらしいですけど。やっぱり手間はかかると思います。見回りとか、野犬とか……。でもそれを町の売りにして、がんばってほしい!! すごくなつかしい映像で実家に帰りたくなりました。」女子

 

 

 

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