映像資料の感想(環境社会学Ⅱ)

20071214日 2008年1月8日改訂 戸田

●ニカラグアの債務(20071214日)

『死を招く債務 IMF・世界銀行とニカラグア』アジア太平洋資料センター、1998年、30分  英語原題は、Deadly Embrace、米国、ニカラグアネットワーク教育基金、1996年  キーワード:累積債務、構造調整プログラム(SAP)、IMF、世界銀行、ニカラグア、乳幼児死亡率の上昇

参考文献

『IMF・世界銀行とニカラグア 債務問題を知るために ビデオ「死を招く債務」解説ブックレット』(アジア太平洋資料センター1999年)

『環境的公正を求めて』戸田清(新曜社、1994年)

『環境学と平和学』戸田清(新泉社、2003年)

『顔のない国際機関: IMF・世界銀行』北沢洋子,村井吉敬編(学陽書房、1995年)

『世界銀行: 開発金融と環境・人権問題』鷲見一夫(有斐閣、1994年)

『世界貿易機関(WTO)を斬る : 誰のための「自由貿易」か』鷲見一夫(明窓出版、1996年)

『人口危機のゆくえ』芦野由利子,戸田清(岩波ジュニア新書1996年)

『債務危機の真実: なぜ第三世界は貧しいのか』スーザン・ジョージ 向寿一訳(朝日新聞社1989年)A fate worse than debt

『債務ブーメラン: 第三世界債務は地球を脅かす』スーザン・ジョージ 佐々木建,毛利良一訳(朝日新聞社1995年)The debt boomerang

『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』ジョン・パーキンス、古草秀子訳(東洋経済新報社、2007年)

『いのち・開発・NGO : 子どもの健康が地球社会を変える』デイヴィッド・ワーナー,デイヴィッド・サンダース、池住義憲,若井晋監訳(新評論、1998年)原題はThe politics of primary health care and child survival

『脱グローバル化 新しい世界経済体制の構築へ向けて』ウォルデン・ベロー 戸田清訳 吾郷健二解説(明石書店2004年)DeglobalizationIdeas for New World EconomyWalden BelloZed Books2002.ベローはフィリピン大学教授。

『ラテン・アメリカは警告する : 「構造改革」日本の未来』内橋克人,佐野誠編(新評論2005年) 吾郷健二ほか 世銀・IMF・米国と軍事政権(ピノチェト)、親米「民主」政権が推し進めた政策と小泉政権の新自由主義的構造改革の問題点を指摘

『グローバリゼーションと発展途上国』吾郷健二(コモンズ2003年)

『歪められた発展と累積債務 : 世界経済のなかのメキシコ』デヴィッド・バーキン、吾郷健二訳(岩波書店1992年)Distorted development

『第三世界論への視座 : 地域経済自立論序説』吾郷健二(世界書院1988年)

吾郷健二(西南学院大学経済学部教授)、佐野誠(新潟大学教授)はラテンアメリカ経済の第一人者。

『悪夢のサイクル : ネオリベラリズム循環』内橋克人(文藝春秋2006年)

Mortgaging The EarthThe World BankEnvironmental Impoverishment and the Crisis of DevelopmentBruce RichBostonBeacon Press1994

米国の弁護士が世界銀行の融資するプロジェクトが環境破壊、貧困をもたらした責任を告発した有名な本。1996年に購入したが未読である。

欧米の環境運動、人権運動、学生運動は、世銀・IMF批判・改革に熱心に取り組んでいる。日本では学生運動の世銀問題への関心が低い。

『反米大陸 中南米がアメリカにつきつけるNO!』伊藤千尋(集英社新書2007年)★中南米事情、米国政府・財界の横暴、世銀・IMFの問題点などについての入門書として最適である。巻末の年表も有益(たとえばニカラグアの項目)。新書版なので値段も安い。

『燃える中南米 特派員報告』伊藤千尋(岩波新書1988年)

『収奪された大地 ラテンアメリカ五百年』新装版 エドゥアルド・ガレアーノ 大久保光夫訳 藤原書店1997年)

『ニカラグア 自由か、死か』鈴木頌(北海道アジアアフリカラテンアメリカ連帯委員会1986年)

『革命のニカラグア 過渡期社会とサンディニスタの挑戦』アドルフォ・ヒーリー、セルヒオ・ラミレス、原田金一郎、LA研究センター編訳(柘植書房1980年)

以上2冊はサンディニスタ左翼政権についての文献

『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』ジョセフ・スティグリッツ、鈴木主税訳(徳間書店2002)米国の経済学者(元世銀副総裁、ノーベル経済学賞、コロンビア大学教授)がIMFを厳しく批判。

『世界を見る目が変わる50の事実』ジェシカ・ウィリアムズ 酒井泰介訳(草思社2005年) 50 facts that should change the world

世界の格差について参考になる。英BBC記者。

 

「IMFは世界に良い働きをしていると思い込んでいたと思う。これもやはり、私たち先進国側の勝手な考えや思い込みであり、どこまで資本主義のもとで助けられるのか考え直さなくてはならないと思った」(女子)

「世界銀行とIMFみたいな大きな組織こそ全ての人に対して公平でなければならないはずなのに、弱い者たちからとれるだけとろうという気持ちが見てとれる。雇用自体が少ないことも問題だし、雇用が少ないから足元を見ている雇い主も問題だ」(男子)

「世界は技術革新、経済発展に反比例して、全体的に見れば不幸になっているんじゃないかと思う。豊かな日本にいると、世界中で貧しく死んでいく人の事なんて忘れてしまう」(男子)

「ビデオを見て思うのですが、権力の強い人(上の立場にいる人)が自分の地位を守るために高圧的な態度をとるのは間違っていると思う。上の立場に行けば行くほど、欲に目がくらんでそういう風になっていくのかと疑問を感じる」(男子)

「IMFも世界銀行も、世界を貧困から救うためのもののはずなのに結局先進国のために動いているのか……憤りを感じました。また、ニカラグアは先進国やIMFから借りたはずの金はどこに使ったのか、やはり政府の上の方で使い切ってしまったのか等、気になりました」(女子)

「ニカラグアという国名もあまりニュースなどで取り上げられない気がします。戦争はあるが食べ物がある前政権のほうがいいという発言はちょっと……IMFの政策の失敗なのか意図的なのかわかりませんでした。」(女子)

戸田注 サンディニスタ政権は好きで戦争していたのではない。米国がそそのかし、支援していた右翼ゲリラに内戦を仕掛けられて仕方なく応戦していた。

「世界銀行やIMFがやっている政策は名ばかりのもので実際は途上国を苦しめているだけのものだということがわかった。にもかかわらず存続しているのはどういうことなのだろうか。これだけひどいことをしていれば国連は何らかの対応をするべきだと思うのに見て見ぬふりをしているのはどういうことだろうか」(男子)

「グローバル化というものは日本人である私たちにとっては、とても恩恵のあるものだ。しかし、貧しい国がグローバル化で更に貧しくなるのはとても理解できないことだ。しかも、それによって子供たちの教育が制限されるのはもってのほかだと思う。」(男子)

「IMFは貧困化した人々を救済するための機関だと思っていましたが、逆に苦しめる形になっていることに驚きました。世界銀行も同様です。マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」は見てみたいです」(女子)

「ニカラグアと日本では経済的には確かに大きな違いがあるけれども、社会的弱者の人々がさらに厳しい立場に追い込まれているという点では同じだと思いました。お金持ち(先進国)が本当によいというわけではないのだと考えさせられました」(女子)

「今年の字は「偽」でしたが、日本だけでなく世界でも「偽」が存在すると感じました。弱ければ弱いだけ強いものを信じようとする。なのに裏切られる。不平等はどこまでも不平等だと思いました」(女子)

「今回のビデオは政府に問題があるとかいうこと以前に、悪化する国民の経済状態を知りながら、安い賃金でひどく扱う外国の企業そのものに問題があると感じた。私たちが欲しいものを買うためにアルバイトを探す一方で、ニカラグアのように生きるために職を探す人もいる。そのことを私たちは放っておいていいのかと思った」(女子)

「日本より借金がある国もあると知ってびっくりしました。昔から気になっていたんですが、自分の国で勝手にお金を作ることはできないのでしょうか? 普通に考えてダメだと思いますが。そうだとしたら世界のお金の量は誰が管理しているのですか?」(女子)

戸田注 ドルは基軸通貨なので米国だけはそれに近いことができる。石油取引の決済がユーロになる(イラン、イラクの動き)というのもイラク戦争の動機のひとつだった。

「日本にいると世界の格差にあまり気づいていない自分がいる。日本国内の格差が問題になっているが、世界の格差をもっと問題にすべきだと思った」(男子)

「IMF、世銀がニカラグアにお金を貸したことで国内の60%が失業したり、第三世界で600万人の子供が死んだりと、生活がよくなるどころか、悪くなっている。このような現状があるにもかかわらず、IMF、世銀はニカラグアに赤字を出さないように指示し、金のことしか考えていないように思えた。IMF、世銀の貸し出す金は先進国から出ているものであるため、自分たちも関係しているのかと思った」(男子)

「今日のIMFと世界銀行の話を聞いて、アメリカがそんなに大きな力を持ってはだめなのではないかなと思った」(男子)

「世界銀行・IMFなど世界経済のために中心となって働くべき団体がニカラグアなど小国の人々の生活をおびやかすようなことをしているなんて信じられません。本当にひどい話だと思いました。国家の債務返済のために食べ物に困っている国があることはとても残念なことだし、もっといい支援をして欲しいと思います」(女子)

「IMFや世界銀行はアメリカやヨーロッパの利益を優先した機関だと分かりショックだった。そのお金の流れが貧しい人や子供の命を奪うのはおかしい」(女子)

「失業率が60%を超える国があるのは本当におどろいた」(男子)

「今日のビデオの話は少し難しかった。だが、先進国と途上国の間にはかなりの差があることは分かった。世界の構造は一部の先進国の利権を守るためにできているのだろう。いつも被害や苦しみを強いられるのは、力を持たない国家や国民であると思った」(男子)

「〝失業〟をおどしのひとつに使っているような気がしてしまった。国民におどしを使うのはおかしいと思う。政府が使うなんてもってのほかだと思った」(女子)

「市場をコントロールすることが良いか悪いかは一概に言い切れませんが、特定の人々や政府が私物化することは問題があると思いますし、するべきではないと思います」(男子)

「ニカラグアは、戦争は減ったが住民がその日の食べ物もない、仕事もないならどうしようもない、あちらがたてばこちらがたたずの状態でおそろしかった。政権はまだ変わらないのだろうか? 日本の政治のこととはどう関係しているのか、私のあまりの知らなさにもおそろしい」(女子)

戸田注 200611月の大統領選挙でダニエル・オルテガ元大統領が16年ぶりに当選したので、多少良くなるとは思う。

「今まで世界銀行の動きについては知らなかったが、今回のビデオを見て衝撃を受けた。私自身は不自由のない生活を送っているが、世界中には世銀・IMFの構造調整によって貧困の危機にさらされている多くの人々がいて、私も無関係ではないのだと考えると大変複雑な気持ちになった」(女子)

「ニカラグアの抱える問題のことを初めて知りました。ビデオの中でIMFが世界の不況をもたらしたという言葉がとても衝撃的でした。世界銀行やIMFの役割というものがよく分からなくなりました」(男子)

「IMFは行進国の援助をするというより、先進国の利害で動いているんだなと思った」(男子)

「失業率が高いことにより、職に就くことができても悪条件であったり、賃金も安い。賃金が安いと生活は楽にはならないので経済も発展することなく悪循環を起こす一方である」(男子)

「世界銀行における投票権にはどのような意味があるのでしょうか・理事選出等ですか?」(男子)

戸田注 選出された理事が投票する。融資計画などを決める。

「ビデオを見て、IMF、世界銀行が必ずしも正しいことをしているとは思えなかった。先進国(アメリカ)が世界をいいように支配しているように感じた」(男子)

「アメリカが発展途上国(ニカラグアなど)に多大な借金を負わせ、発展していくのを阻害しているというようなことは、あってはならないことだと思う。発展していくことで、環境問題などの問題が出てくるかもしれないが、もう植民地というものもなく、国同士で助け合う時代がきていると思った。だが今回のように、金儲けのためだけに、途上国に手を出している状態をみて落胆しました。国という概念までも、なくさなければならないのでしょうか?」(男子)

「結局IMFが何の為にあるかわからなくなった。また日本とIMFの関わりを知りたくなった」(男子)

戸田注 東海道新幹線や東名・名神高速道路も世銀融資。日本はIMFでも世銀でも米国に次ぐ投票権を有する。

「IMFや世界銀行は途上国を救うための活動をしなければならないのに、逆に苦しめているという事実があったことを知らなかった」(男子)

戸田注 「不適切な公共事業」が少なくないことは、日本政府も米国政府も国際機関も同じ。諫早湾干拓、川辺川ダム、徳山ダム、高速増殖炉もんじゅ、三峡ダム、インドのナルマダ・ダム、米国のイラク戦争など。戦争も巨大公共事業。

「名目と現実は全く違う。結局は、金は利子付きで貸してもらうし、先進国の企業に安い労働力を提供するためだけになってしまっているようだ。資本主義は結局、富める者が貧しい者から金と労働を吸い取るだけで、富める者は富み、貧しい者は貧しくなるだけの構造であるのだろうか?」(男子)

「IMF、世銀がこのようなことをしていたとは知りませんでした。10年以上も前でこれほどのことになっている、ということは現在、どうなっているのか想像することもおそろしいです。また、このことが日本で知られることはないのでしょうか」(男子)

戸田注 アジア太平洋資料センターなどのNGOや、金子文夫、吾郷健二などの研究者がずっと言ってきましたが。

「世界銀行、IMFによる構造調整はなんの意味があるのだろうと思いました。そもそも発展途上国の為といいながら、まったく彼らの為になっていないのはおかしいと思います。先進国は賃金や土地の安い発展途上国に工場を作り、現地の人を雇い、発展途上国の経済に協力しているつもりでいますが、実際は労働基準や人権は無視されて、しかし、無職よりは低賃金でもお金がもらえるだけましという、資本主義でとても発展途上国の為とはいえない経営がなされているという真実はみなおさなければならないと思います。「発展途上国の為」というのは免罪符にならないと思います。発展途上国だから支援してやろうという上から目線ではなく、豊富な資源と労働力を持つ彼らと対等な関係を築いていかなければならないのではないでしょうか。」(女子)

戸田注 世界銀行はマクナマラ総裁(ケネディ政権が任命)の時代まではまだ良かったと思う。国防長官時代のマクナマラはベトナム戦争の無差別爆撃や枯葉作戦ゆえにあまり評価できないが。クローセン総裁(レーガン政権が任命)以降、無駄な公共事業への融資で環境破壊、人権侵害をもたらしたり、新自由主義的な構造調整(世銀よりもIMF主導)で途上国の貧困層を苦しめるようになったのではないか。橋本政権や小泉政権の新自由主義的構造改革(タクシーや長距離バスの規制緩和、派遣労働の拡大、金持ち優遇税制、国民健康保険の資格証明書など)も格差社会を悪化させたと思う。NGOの世銀批判(環境、人権)の高まりは1980年代からである(グリーンピース、地球の友、PARC、カトリック正義と平和協議会ほか)。

「ナイジェリアが日本の人口より多いということは知らなかった。また、世界銀行などのせいで失業率90%はひどいと思う。いつになったら、格差(世界の)がなくなるのだろうか……」(男子)

「国の政治を行う人は国民の生活を守るためにしてるのに逆にこわすなんてひどい。ニカラグアの人はよくついていっていると思う」(女子)

戸田注 チャモロ政権など親米政権の政策への不満が蓄積していたので2006年選挙で左派のオルテガ大統領(かつてのサンディニスタ左翼政権の首相)になったが、新自由主義政策を大きく変えることはできない。

「ニカラグアという国は名前だけは聞いたことがありましたが、経済がそこまで安定しておらず、90%以上の失業率という話を聞いて大変驚きました。世界銀行もまだまだ多くの問題を抱えているのだなと感じました」(女子)

「日本のニュースも国民1人あたりの借金を報道しますが、日本は日本のためにお金を使って借金している。しかし、ニカラグアは先進国がお金を吸い上げて借金まみれになった。弱い国は先進国の思うがままになっていることが悲しいです」(女子)

戸田注 中南米では「米国のいいなりにならない」左派政権が増えて来た。伊藤『反米大陸』参照

「日本も債務は大きいけど、私の考えるよりもっと多くの債務を抱えた国もあり、また、それが納得の出来ない債務だというのは、とてもきついことだろうと思いました。国が貧しいからといって福祉をおろそかにしたりするのは、国民は生きることに希望も持てないんじゃないかと思います。先進国に有利な政策は酷い」(女子)

戸田注 日本は岸信介政権以来、米国に都合のいい政策をとるのが国策。福田首相も国民の年金よりも米海軍への給油が大事(朝日新聞20071218日社説など参照)。

「ニカラグアの人々は大変と思った」(男子)

「ニカラグアの債務危機のことについて初めて知りました。外国投資を最優先に構造調整を行うことの問題性は大きいとひしひしと感じました。教育、福祉が優先されないばかりか安い輸入品ばかりを国内に輸入していく体制は見直していかねばならないと思う」(女子)

「ニカラグアでの国の借金が国民ひとりひとりにまでひびいていて驚きました」(女子)

60%もの人が失業者というのは考えられないほどの数字です。働きたくても仕事がなく、働いてもお金がない。今回の問題は全体的に難しく感じました。国が負っている借金のために国民が苦労する。でも、これは外国との結びつきによるのですね。私たちは暮らしていくために働くのに、働いても働いてもお金が集まらないというのはどうしたらいいのでしょうか。私はIMFの広告を信じていました。発展途上国を助けるためにと思っていたのに余計に苦しめることになったんですね」(女子)

「ニカラグアのことを他人事のように思えませんでした。将来の日本はどうなるの?非常に不安になりました」(男子)

「失業率が9割という事実は驚愕でした。出資に応じて権利も増すというのは当然かもしれませんが、もっと小国の意見も重視されるような機関にすべきだと思いました」(男子)

「世銀とIMFがあんなものだとは知りませんでした。重要な知識がまたひとつ増えました」(男子)

「またも途上国の現状を見せつけられ、複雑な気持ちになりました。銀行の行い、政府の理不尽な政策によって過酷な生活を強いられる貧しい人々、ここでも大国の尊大な態度が見え隠れしているのだなと思いました」(男子)

「世界銀行やIMFの職員たちはなぜ返済不可能なほどの額を貸したのか。それは、借金ということを口実にして内政干渉を行うためでしょう。世界銀行やIMFといった世界的な機関がこのような結末を予想できなかったわけはないと思います。明白な構造的暴力だと思います。もしOECDも同じような状態ならとても残念です」(女子)

「労働組合を作れないというのは本当に驚きでした。本当に私たちの知らないところでひどいことが起こっているのだと改めて思いました」(女子)

「環境人類学とつながるものがあると思いました」(女子)

「ニカラグアのような貧しい国への配慮はIMFのようなしっかりした目的があるところがしなければならないのに、それまで楽な暮らししかしていなかった人がIMFに入っても改善されないと思う。現地で数日暮らしてみるとか、その苦しみを知っている人がIMFの高官になるなど、考えて行動が起こされないと何も変わらないと思う」(男子)

戸田注 世銀、IMFが発展途上国で会議を開くときは、首都の高級ホテルを借り切ることが多い。

「世界銀行やIMFのような国際機関だって、裏で何をやっているかなんて分からない。それにしてもニカラグアの債務や失業率には驚いた」(男子)

「結局悪いのはIMFや世界銀行でしょうか。それとも国の方でしょうか。また多国籍企業には外国で活動するための国際的な取り決めなどはないのでしょうか。それとこのまま教育を受けていない人が増え続けると、将来社会をたてなおすことはできるのでしょうか」(男子)

戸田注 国連多国籍企業センターはリストラされた。多国籍企業を監視するNGOではマルチナショナル・モニターが有名

http://multinationalmonitor.org/

「(国家犯罪の)罪の大きさと罰の大きさが反比例になっているのはおかしいと思いました。世界銀行が何を行っていたか、ニカラグアの状況をビデオで見て初めて知りました。ニカラグアの人々が支払った税金が自分たちの国ではなく、他の国の銀行に流れていっていると知って、とても悲しそうでした。個人のせいではない借金が膨大にあると、絶望的だと感じました」(女子)

「ニカラグアやその他の途上国がIMFや世界銀行に搾取されている。ある意味これはりっぱなテロだと言えるだろう」(男子)

「世界の貧困をなくすためにやっていることが逆に貧困を増す結果になっていることが信じられない。それをやっている人は何とも思っていないのかが不思議だった」(男子)

戸田注 デヴィソン・ブードゥーやスティグリッツのような内部告発、批判は少数。

「世界銀行でアメリカ、日本、西欧が有利になってしまうのはどうしても仕方がないことだと思う。お金を投資して有利になるのはかなり問題だからだ。でも、だからといってニカラグアのように奴隷のようにして扱うとは人間としてよくないし、格差の問題は世界の問題だと思う。格差社会の解消法についてまだまだ勉強不足だと思うので、これからいろいろと調べていきたい」(男子)

「ニカラグアでは1人あたりの債務は世界最高額で、10年前は4000あった小企業が400まで激減していた。これでは国民が飢えて苦しむにきまっている。政府は何とかしなくてはならないと思う」(男子)

「世界銀行やIMFが構造調整を行うことによってどんどん悪循環を招いていっているので、早く解決策を見つけてほしいと思った」(男子)

「今回の話は自分があまり知らなかったことなので、とても良い勉強になった」(男子)

「IMFや世界銀行が先進国の都合によって支配されている状況を変えないと第三世界の貧困の解消はなされないと思います。労働者の様々な権利を守るために独裁政権から民主主義への転換が必要だと思います」(男子)

戸田注 ソモサ政権と違ってチャモロ政権は一応民主主義。

「なぜニカラグアのチャモロ政権がこの構造調整政策を受け入れたのか不思議に思った。きっと影でお金の取引があったのだろうなと思う。IMFもしっかり見極めて使わなければ自分たちが使われると思った」(女子)

戸田注 北沢・村井編1995のSAP地図にあるようにアジア、アフリカ、ラテンアメリカ、東欧の多くの国がSAPを受け入れた。

「構造調整政策はまちがっていると思った。世界銀行のことに関してほとんど知識がなかったので、こんなことが起こっていることを全く知らなかった。アメリカなどに有利になっている現状は何とかする必要があると思う」(女子)

「ニカラグアに住んでいる人々に同情した。IMFや世界銀行はもう少しそんな人々に配慮すべきだと思う」(男子)

「世界銀行やIMFというと発展途上国のために活動していると思っていました。しかし今日ビデオを見てそういうわけでもないのかなと思いました。今日のビデオを見る限りでは先進国が牛耳っており、先進国のための機関になっているように感じました。歴史における近代社会でも西洋人が黒人や先住民を奴隷のように使い私腹を肥やしていましたが、今になっても同じことが行われているように思います。弱い立場の人のためにどんなきれい事を並べても、結局人間は自分が一番かわいいんだなと感じ、寂しいなと思いました」(男子)

「経済がめちゃくちゃだと思いました。ニカラグアなど世界には厳しい状況の国があり、もっと国の平等が保たれればよいと思いました」(女子)

「[国家犯罪の]罪と罰が反比例しているのはおかしい。日本はいつまでアメリカの傘の下にいるのだろうと思います。早くひとつの国家として自立してほしいと思います。アメリカをバックにして平和を唱えるのではなく、アメリカに面と向かって平和を唱えて欲しいです」(女子)

「IMFと世銀は何がやりたいのかわからない。格差を大きくしたいのか。先進国の発展のためか。一体、ニカラグアの国民のために何をやったのか。借金を勝手に押しつけて無理矢理取り上げているだけではないか」(男子)

「ニカラグアの生活の危機的な状況がわかった。IMF、世界銀行とニカラグア政府の結託、構造調整によって国内の60%失業率、債務危機が引き起こされている。ニカラグアは債務返済の為に予算を増やすために、自国の福祉や教育や医療の低下や低賃金労働をしなければいけない状況になっている。日本もたくさん借金をしているので他人事でないと思った」(男子)

戸田注 韓国は1996年のOECD加盟で先進国入りしたが直後の1997年アジア金融危機でIMFの管理下に入り、国民は苦しんだ。現在日本の非正規雇用は3割だが韓国は5割を超える(NHKスペシャル「ワーキングプアⅢ」)

「ビデオで見た国民1人の債務が3000ドルだなんて本当に驚きました。国民の生活を犠牲にしても経済が立て直せないなんて本当に世界には厳しい状況下におかれている国々がたくさんあることを痛感しました」(女子)

「IMF、世界銀行の押しつけからなる構造調整プログラムは全く何とかしないといけないと思いました。しかし、お金が絡んでくる問題は簡単にはいかないと思います。まずは、一部の国が力を持ちすぎている現状を変えていかなければならないと感じました。自分たちの行動が何をもたらすのか、またもたらしているのかを上の立場の人間がしっかり考えていかないと、いつまでたってもこういった問題は解決しないと思います」(男子)

「世界銀行の広告で言っていることと、第三世界に住む人々の言っていることが全然違うことに驚きました」(女子)

「IMFと世界銀行は欧州とアメリカの経済復興を目的として設立され、みごとに達成された。しかしニカラグアやフィリピンのような途上国はIMFと世界銀行に多くの債務を負うことになった。そのために政府は構造調整を受け入れたが、福祉や教育などの分野がおろそかになり、失業率も増大した。結局、良い方向に展開することができなかった」(男子)

「ビデオを見ると世界銀行やIMFは非常に悪いことになっていた。実際、ニカラグアの状況を見ると国全体が借金のために機能していなかった。途中に出てきた広告とは大きくかけ離れていた。これだけ見ると存在しなくてもよいものに見えた。本来の考え方はすばらしいと思うが、もうちょっとやり方を考えてするべきではなかったのだろうか。」(男子)

「途上国のためと言いながらも逆に貧困を生み出しているIMFのやり方、人々を苦しめながらも教育費や福祉にあてるお金を削減することで赤字を減らそうとする政府のやり方は許せないことだと思います」(女子)

「アメリカなどの政策がビデオのようにあれだけ人々の生活を苦しめていることを知り、驚きました」(女子)

「今回のビデオではニカラグアの悲惨な経済状況を初めて知った。世界銀行の広告と第三世界に住む人たちの言っていることが全く違うことに驚いた」(男子)

「今日の世界銀行とIMFの話はとても興味深く、もっと知りたいと思った。具体的にアメリカがどのような力を持っているのかが気になった」(男子)

「世界銀行はなんのためにあるのか。それは貧困生活で苦しんでいる国の経済援助ではないのか。なぜニカラグアは困っているのに経済援助を行わず借金を巻き上げようとしているのか。それより他にお金を無駄に使用している人がいるはず、その余分なお金を監視、注意を行う方が先決であろう。IMFは世界のことをもっと長い目で見るべきである」(男子)

「外国投資を最優先させるための構造調整によって第三世界は大打撃を受けた。特に、ニカラグアでは1人あたり債務が世界最高額であるし、10年前に40000ほど存在した小企業も現在では4000ほどにまで激減した。世界銀行、IMFの理不尽な政策によってニカラグア住民は毎日飢えや貧困に苦しんでいる。あんな低賃金ではまさに奴隷だ。政策を見つめ直してほしい。」(男子)

「世界銀行、IMFは表面的には貧しい国々に資金援助をしていることになっているが、全くちゃんとした援助はされていない。そのお金は西欧やアメリカの経済安定のために使われている。先進国がこんなことをしているから世界の貧富の差が広がるばかりなのだと思う。今まで学校の授業などで勉強してきて、まだまだ貧困地域への援助が足りないことは知っていたが、これほどいいかげんなことをしていたことに驚いた」(女子)

「国の借金を国民が負って、国民はいくら働いても自分のお金にならないという状況では、人々の士気が上がらず、国の雰囲気自体が暗くなってしまいそうで、大丈夫なのかなと心配になりました。国の信頼がないと良い国へ発展しないと思いました」(女子)

「政府支出の削減のために教育や福祉にあてていたお金を削減し、人々を安い賃金で雇い貧困へと追いやる政策や、広告では良いことをしているように見せかけているIMFのやり方は許せないと思う」(男子)

「まるで奴隷のように扱われている女性たちがかわいそうだと思った。最近の日本では学生運動や社会運動が少ない。もっと若い人が社会問題に興味をもたなければいけないと思う」(女子)

「人権侵害が大きいほど国際社会の対応は小さい」「日本の諸対応に批判は出るがアメリカの原爆投下に批判があがることは少ない」など先生のお話から国際社会の多くの矛盾、不公平を感じました。世界銀行は「持続可能な経済政策を目指し、貧困をなくす」「貧しい人々に手をさしのべる」「世界中の人々がみな平等に豊かに暮らせるようにする」ためと表では言っているが、実情は欧米(主としてアメリカ)と各国政府が結びついて、豊かな人は豊かなまま、貧しい人々はますます貧しくなっているだけだと感じた。得をしているのは欧米の政府の一部の人間だけだと感じた」(女子)

「子供たちの食生活は大丈夫なのだろうかと思いました」(女子)

「世界銀行とIMFがニカラグアの中央政府と組んでいて、市民を圧迫しているのは許せない」(男子)

「ビデオを見て私は日本人に生まれたことを幸せに感じた。貧しい国の人々は、仕事を探すことさえ大変である。たまたま幸せな国に生まれた私たちが贅沢ばっかりするのではなく、手をさしのべる必要がありそうだ」(男子)

「貧しい国の人々の厳しい生活状況を見て、自分たちはどんなに豊かな生活をしているのだろうかと思った」(男子)

「世界銀行、IMFの構造調整プログラムはこんなことをやっていたんですね。ニカラグアの失業率が60%というのはひどい数字だと思いました。でも、日本が7%の発言権を持っているんだったら、日本にも責任はありますよね。」(女子)

「学生運動をする人が簡単に殺されるような社会ではいけないと感じた」(男子)

「今日の講義を聴いていると、ひょっとするとIMFや世界銀行は西洋社会向きの制度をつくりあげており、その他の国にはあまり得がないようにされているのではないかと思った。IMFや世界銀行は全ての国に対して中立であり、公平に資金を分配しなければいけないと思った」(女子)

「世界銀行の陰謀のせいで国が苦しみ、その国民が苦しんでいる。世界銀行の役目がおかしいのではないだろうか」(男子)

「新聞やテレビなどでの世界銀行の広告ではニカラグア等に対して援助をしているように見えたが、実際はIMFや世界銀行が押しつけた債務により70%の人々が貧困ライン以下の生活を送り、医療、教育、福祉プログラムを受けることもできていなかった。67セントの賃金で世界一と言われるニカラグアの人々の債務を払うことは絶対に不可能であるし、それ以前に最低限の生活をすることもできない」(女子)

「戦争か貧困かと言われたら私は後者をとる。価値観を変えてどうかなるのであれば。しかし、戦争も貧困もと言われたら、たまったものではない。とりあえず元凶のアメリカのすることは多様だが、動機は一様である。いずれ衰退するのは目に見えているが、何ともはや米はバカだ」(男子)

戸田注 サンディニスタ政権は戦争を「選んだ」のではない。米国が支援する右派勢力によって内戦を押しつけられた。

「国が発展する基本は教育である。もし、教育も守られなかったら、国は未来があるとは全然言えない。ビデオの中の国と同じようにIMFのせいで悪循環がずっと続いている。すべてのことは先進国の責任と思う」(女子)

「中国の留学生として天安門事件についてちょっと述べたい。1989年に起こった天安門事件は確かに先生が言ったように戒厳部隊が戦車と銃で学生、市民を制圧した。しかしこの処理の方法は共産党にとってやむをえないことであった。制圧の前に外国の反共産党の人は人民解放軍を殺してデマを飛ばす、無辜の人民解放軍の人がたくさん無知な学生に殺された。だから学生、市民が制圧された」(男子)

 

国際司法裁判所(ICJ)のニカラグア判決(1986年) 国際テロ活動を争点にニカラグア政府が米国政府を提訴して勝訴、しかし状況は改善されず。米国政府は開き直ったまま。

ICJ 1996年勧告 核兵器は一般的に違法(国家存亡の危機では合法)

ICJ 2004年 イスラエル政府の分離壁建設はパレスチナ人への人権侵害で違法

日本の裁判所の確定判決(懲役、死刑など)は法務省が執行するが、国際社会では法務省に相当するもの(世界政府の法務部門)が存在しない。国連は世界政府ではない。

イラク戦争(2003年)は国際法違反であり、ブレア首相をICC(国際刑事裁判所)に提訴することはできたはずだが、主犯のブッシュ大統領を提訴することはできなかった(英国はICC条約を批准、米国はICC条約を拒否)

国際裁判所 ICJ、ICC、欧州裁判所など

どちらも国連機関であるが、ICCとICJを混同しないこと。

 

世銀改革・世銀批判に取り組む米国のNGOであるグローバル・エクスチェンジのサイトにも「米国のシェアはおおむね17%を維持、G7の合計は約45%」とあるので、投票権比率に大きな変化はない。このサイトにはSAPの問題点もわかりやすく記述。

http://www.globalexchange.org/campaigns/wbimf/faq.html

50 Years Is Enough  U.S. Network for Global Economic Justiceも参照

http://www.50years.org/

 

世界銀行東京事務所

http://web.worldbank.org/WBSITE/EXTERNAL/COUNTRIES/EASTASIAPACIFICEXT/JAPANINJAPANESEEXT/0,,contentMDK:20744242~menuPK:515648~pagePK:141137~piPK:141127~theSitePK:515498,00.html

世界銀行本部

http://www.worldbank.org/

2006年の投票権比率は、世銀サイトのどこかに年次報告要旨が出ているはずなので、探し出せるはずである。

 

世界銀行、IMFの民主化の必要性

スティグリッツ(元世界銀行エコノミスト、ノーベル経済学賞)の厳しいIMF批判

世銀・IMFの構造調整プログラム(SAP)は100カ国くらいに対して実施

SAPという名称は「貧困削減プログラム」に改称。

国連では、子供の健康・人権を所管するユニセフが一貫してSAPを批判してきた。

世銀の「1ドル1票」米国17%、日本7%くらい

これがいわゆる世界銀行・IMFの加重投票制度(出資比率に応じて票が配分されるので、先進国の意向が強く反映される)である。

G7 米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本

1994年当時の世銀理事国(24カ国)は次の通り

任命理事(国連安保理の常任理事国に相当)米、日、独、仏、英(出資額順)5カ国

選任理事(国連安保理の非常任理事国に相当)19カ国

欧州 オーストリア、オランダ、スペイン、イタリア、ノルウェー、ロシア(6)

北米 カナダ(1)

オセアニア オーストラリア(1)

アジア サウジアラビア、クウェート、マレーシア、インド、中国(5)

アフリカ スワジランド、アルジェリア、ボツワナ、中央アフリカ(4)

ラテンアメリカ ブラジル、チリ(2)

 

表 世銀・IMFの投票権比率(1994年当時)

 

投票権比率(%)

IMF

IBRD(国際復興開発銀行=世界銀行)

IDA(国際開発協会=第二世銀)

米国

18

17

16

日本

 6

 7

10

ドイツ

 6

 5

 7

フランス

 5

 5

 4

イギリス

 5

 5

 4

イタリア

 4

 4

 4

カナダ

 4

 4

 4

G7合計

47

47

49

ロシア

 3

 2

 0.3

中国

 2

 3

 2

インド

 3

 4

 4

投票権比率(%)は少数1位を四捨五入した。G7合計については少数2位までの数字で加算した後に少数1位を四捨五入した。

出典 北沢・村井編,199523から作成

 

援助より債務返済が上回る サラ金と同じで過払い状態

人事制度

世界銀行総裁は慣例により米国政府が指名 前総裁ポール・ウォルフォウィッツはスキャンダル発覚で辞任

IMF事務局長は欧州諸国政府が協議して指名

アジア開発銀行総裁は日本政府が指名

 

マキラドーラ(ウィキペディア英語版)米国国境に近いメキシコの工業地帯、環境汚染や労働基準で問題になった。

http://en.wikipedia.org/wiki/Maquiladora

 

 

 

ウィキペディア「世界銀行」の「総裁」の項目を下記に転載する。

 

総裁

暗黙の了解として、国際通貨基金(IMF)の専務理事(managing director)は欧州出身者が選出され、また世界銀行歴代総裁(president)はすべて米国出身者である。副総裁には日本人も選ばれたことがある。

 

1946年~1946年:ユージン・メイアー

1947年~1949年:ジョン・ジェイ・マクロイ

1949年~1963年:ユージン・ロバート・ブラック

1963年~1968年:ジョージ・デビット・ウッズ

1968年~1981年:ロバート・マクナマラ (元フォード社長、元国防長官=ケネディ政権で)

1981年~1986年:アルデン・ウィンシップ・クローセン

1986年~1991年:バーバー・コナブル

1991年~1995年:ルイス・トンプソン・プレストン

1995年~2005年:ジェームズ・ウォルフェンソン (元投資銀行家)

2005年~2007年:ポール・ウォルフォウィッツ (元国防副長官=ブッシュ子政権で)

2007年~:ロバート・ゼーリック (元国務副長官=ブッシュ子政権で)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E9%8A%80%E8%A1%8C

( )内の元職は戸田の注

 

資本主義は市場メカニズムによってずるずると結果が出てしまう。社会主義のほうが選択の余地は大きいが、逆に制度設計を間違えると資本主義以上に悲惨なことにもなりうる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界銀行ポストを独占している(同様に、国際通貨基金事務局長は欧州人が、アジア開発銀行総裁は日本人が独占している)ことの異様さは、国際連合事務総長と比較すれば明らかである。ウィキペディア「国際連合事務総長」から引用しておこう。

歴代の国際連合事務総長

国際連合事務総長

氏名

在職期間

出身

グラッドウィン・ジェブ(代行)

19451024

194621

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/ae/Flag_of_the_United_Kingdom.svg/20px-Flag_of_the_United_Kingdom.svg.pngイギリス

1

トリグブ・リー

194621

19521110

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d9/Flag_of_Norway.svg/20px-Flag_of_Norway.svg.pngノルウェー

2

ダグ・ハマーショルド

1953410

1961918

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Flag_of_Sweden.svg/20px-Flag_of_Sweden.svg.pngスウェーデン

3

ウ・タント

19611130

19711231

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/8/8c/Flag_of_Myanmar.svg/20px-Flag_of_Myanmar.svg.pngビルマ

4

クルト・ヴァルトハイム

197211

19811231

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/41/Flag_of_Austria.svg/20px-Flag_of_Austria.svg.pngオーストリア

5

ハビエル・ペレス・デ・クエヤル

198211

19911231

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/df/Flag_of_Peru_%28state%29.svg/20px-Flag_of_Peru_%28state%29.svg.pngペルー

6

ブトロス・ブトロス=ガーリ

199211

19961231

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/fe/Flag_of_Egypt.svg/20px-Flag_of_Egypt.svg.pngエジプト

7

コフィー・アナン

199711

20061231

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/19/Flag_of_Ghana.svg/20px-Flag_of_Ghana.svg.pngガーナ

8

潘基文

200711

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/09/Flag_of_South_Korea.svg/20px-Flag_of_South_Korea.svg.png大韓民国

*  2代目のダグ・ハマーショルドは、任期中に、コンゴで飛行機事故のために死亡。次代のウ・タントは、当初、事務総長代理を務めて19621月から正式な事務総長となった。

*  6代目のブトロス・ブトロス=ガーリは、事務総長選挙の際に、アメリカ合衆国が拒否権を発動したために一期で退任した。

*  出典 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%80%A3%E5%90%88%E4%BA%8B%E5%8B%99%E7%B7%8F%E9%95%B7

*   

次に同じくウィキペディアから「アジア開発銀行」の解説の一部を引用しておこう。

 

組織

本部をマニラに据え、世界26ヶ所に事務所を設置している(アジア地域19ヶ所に駐在員事務所、太平洋地域3ヶ所に準地域事務所の他、フランクフルトに欧州代表事務所、東京に駐日代表事務所、ワシントンDCに北米代表事務所、東チモールに特別リエゾン事務所)。

世界50ヶ国出身の2000人以上の職員が働く。半分以上がフィリピン人で、日本人職員は13%を占める113人(2004年)。

歴代総裁はすべて日本人が就任している。

最高政策決定機関は総務会(Board of Governors)で、各加盟国1人の総務で構成される。日本からの総務として財務大臣が任命される。総裁は総務会で選出される。また、融資の承認等日常業務の意志決定がなされる理事会(Board of Directors)は、マニラ駐在の12人の理事(域内国から8名、域外国4名)で構成される。理事は隔年選出される。日本のADB 総務は谷垣禎一財務大臣、日本のADB 理事は大村雅基(元財務省近畿財務局長)。

 

  歴代総裁 

渡辺武 196611-197211

井上四郎 197211-197611

吉田太郎一 197611-198111

藤岡眞佐夫 198111-198911

垂水公正 198911-199311

佐藤光夫 199311-19991

千野忠男 19991-20052

黒田東彦 20052-

 

 総会

総務会が毎年集まる年次総会が加盟国で開かれる。

出典

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E9%96%8B%E7%99%BA%E9%8A%80%E8%A1%8C



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